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2012-05-20 12:51
2つの重要サミットへの基本姿勢について露呈した米露間のすきま風
石垣 泰司
アジアアフリカ法律諮問委員会委員
今般米国キャンプ・デイビットで開催された本年のG8サミットには、先般再度就任したばかりのプーチン大統領は欠席し、首相に降格されたメドベージェフを代理出席させた。他方、オバマ大統領も、最近、9月ウラジオストックで開催されるAPEC首脳会議への欠席を発表した。
両サミットとも、これまでどの参加国にとってもそれぞれの外交政治日程に出席必須の首脳会議として前もって組み込み済みの最重要会議とされ、首脳が死亡等真にやむを得ざるケースを除き、欠席した事例は極めて希といえるものだ。とくにG8サミットは、ロシアにとっては冷戦終結後やっと参加を認められたものであり、2006年ロシアが初めてホスト国としてサンクトペテルブルグで開催した際は、プーチンは、大統領として準備、運営万端につき細心の気を配り、議長を務め、成功させた。
そのような性格の米国ホストの今回のG8サミットにプーチン大統領が国内政治上の理由で直前になって欠席を決めたのは、米側によって不快感をもって受けとめられたことはまず疑いない。従って、米国が、ロシア欠席の通報を受けて余り間をおかずして、米国がまだかなり先のロシアホストのAPECサッミトへのオバマ大統領の国内政治上の理由による欠席を発表したのもそのような米側の不快感を直に反映したものとみることも出来よう。
APEC首脳会議は、G8サミットと異なり加盟国が非常に多数にのぼるため輪番で議長国が一巡するには長い年月を要する。本年のロシアホストサッミトにおいては、ロシアのアジア太平洋国家としての発展の可能性を世界に印象づけ、協力を取りつけるための好機として、プーチン大統領は、様々の野心的計画・演出を用意中と見られてきた。従って、オバマ大統領の欠席は、ロシア側を失望させるもので、米露関係が近時欧州における米ミサイル配備問題等をめぐり冷却化をみせている折から今後の両国関係に取り決して良い材料とはいえないであろう。
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