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2012-05-11 09:46
オバマのアフガニスタン電撃訪問の真の狙いは?
川上 高司
拓殖大学教授
オバマ大統領は5月1日にアフガニスタンを電撃訪問した。バグラムの基地を訪れたオバマ大統領は、兵士の前での演説でオサマ・ビン・ラディンを殺害したことを強調し、アフガニスタンでの戦争を予定通り終結させて戦闘部隊を帰還させることを改めて確認した。その一方でテロリストがいまだに脅威でありアメリカは今後もテロリストの追及に力を入れることを述べ、最高司令官としての資質を備えていることをアピールした。
オサマ・ビン・ラディン殺害の1周年にあわせての基地訪問や演説はまさに大統領選挙向けのパフォーマンスに違いないが、その影で実は重要な政治的なプロセスが進んでいる。
オバマ大統領がアフガニスタンを訪れたのは、むしろカルザイ大統領とのある「協定」の締結に目的があったようである。2024年までアメリカが非戦闘部隊を駐留させることを認める協定で、任務は主にアフガン軍の指導などであるようだが、アメリがこれによってアフガニスタンという西にイラン、北に中央アジア諸国とロシア、東にパキスタンや中国と接する要衝を影響力の下に置くことが可能となることは明らかである。まさに南西アジアに楔を打ち込む重要な「協定」であろう。
2001年10月にアフガニスタンを攻撃して以来、最大時には10万人を越える部隊を駐留させ1800人を越える戦死者、15000人を越える負傷者を出し、4430億ドルのコストをかけさらに今後10年にわたって関与し続けるのであるならば、オバマ大統領は誰もが納得する大儀を示す必要があるだろう。
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