The Diplomat2月25日付でStephen J. Blank米国陸軍大学戦略研究所教授が、中国はウクライナ、ベラルーシ、モルドヴァ等に対して外交・経済攻勢を強めている、と指摘しています。すなわち、あまり注目されていないが、中国は首脳の訪問や融資の提供等によって、ウクライナ、ベラルーシ、モルドヴァ等の「東欧」諸国との経済外交を強化しており、中国のプレゼンスは東欧でも高まっている、これによってロシアからの武器輸出が減る中、中国は旧ソ連時代に主要な兵器生産地だったウクライナから先端兵器・技術を輸入できるようになる。また、現在建設中の中国と欧州を結ぶ大陸横断鉄道は、ウクライナかロシアを通ることになるが、高圧的なロシアよりウクライナの方がパートナーとして扱いやすい。さらに、ベラルーシには中国の通信設備を輸出し、そこから東欧全体に普及させることを期待できる、しかし、こうした中国の動きは、通商上の利益だけを狙ったものではなく、政治的影響力の拡大や中国的価値観への支持増大を狙った、中国のグローバルな外交の一環と言える。ただ、これは、東欧を伝統的な勢力圏と見做してきたロシアとの間で、摩擦を生む可能性がある、と言っています。