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2011-03-15 09:56
東電とJR東のお役所体質
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
東京電力とJR東日本は、図体がでかすぎるがゆえに、対応力を欠いている。今回の事態でそれが明確になった。「計画停電」のずさんさはいったい何か。こんなことをやっているから、原発事故も起こすのだ、という不信感を生んでしまう。JR東日本の体質について、石原東京都知事は「許さない」とまで発言した。たしかに、当方も巨大地震発生の夜から、JR東日本の対応に疑問を持っていた。東北へ行く新幹線が不通になるのは仕方ないだろうが、山手線や中央線など、はやばやと運休してしまった。
東京メトロ、都営地下鉄、そのほかの私鉄の多くは真夜中までかかって線路を点検し、終夜運転した。
JR東はなぜそれができなかったのか。あの夜、山手線だけでも動いていたら、ずいぶんちがったはずだ。駅のシャッターを閉めて、利用客を追い出すのでは、なにごとかといいたくなる。電車を臨時ホテルにするぐらいのことをやるべきだった。原子力安全保安院だかなんだか知らないが、変な名前の組織もおかしい。だいたいが、記者会見を中継しても、一般の素人には、何を言ってるのかまったく分からない。
これは中継しないほうがよかった。記者会見を聞いて、メディアの専門記者が分析して、分かりやすく報道する。そこにメディアの役割がある。原子力なにやら院にしろ、東電にしろ、記者会見での説明能力が著しく欠落している。そこにお役所体質、無責任体質が透けて見える。一生懸命やっているのは当たり前なのだ。プロである以上、素人に分かりやすく説明できる能力を持たないで、どうする。
JR東については、これまでもJR東海などとの体質の違いが指摘されてきた。全面禁煙にしたのも、そうである。長野新幹線は「1時間半で長野に着くのだから」といった理由で全面禁煙にした。たばこをがまんできる時間を決定する権限は、JRにはない。延伸された東北新幹線も全面禁煙だ。長野新幹線で全面禁煙の道をつくってしまった。JR東海は、喫煙車や喫煙コーナーを設けている。だから三島あたりまで行くときも喫煙できる。この違いがどこから生じているのか。JR東は、企業としての体質改善に乗り出すべきだ。
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