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2009-08-06 07:37
「小沢院政」はまず鳩山内閣人事で
杉浦正章
政治評論家
テレビによく出る元知事の評論家が、最近民主党を礼賛するように変わった。調べてみると入閣候補にささやかれているという。早くも組閣人事の名前が飛び交っている。民主党代表・鳩山由紀夫は、自らの首相就任が確実になれば、9月半ばまでに新政権発足をめざす構えであるという。したがって選挙後半月で組閣を完了しなければならない。もうとっくに鳩山は、代表代行・小沢一郎と組閣構想を練っているに違いない。しかし鳩山と小沢が人事を練れば、確実に小沢ペースになるだろう。「小沢院政」はまず人事で反映される。
内閣は「チェンジ」の流れを受けて、支持率70%以上のスタートとなるだろう。その代わり「幻滅素材」を盛りだくさん抱えており、落ち始めると早い。組閣の焦点は、小沢自身の処遇である。また党内旧社会党や社民党などのいわゆる筋金入りの左翼や、マルクス・レーニン主義の日教組議員を取り込むか、どうか。国民的人気の高い民間人などを入閣させるか、どうかであろう。このうち小沢本人については、先に書いたように、入閣すれば副総理格となるが、首相本人と副総理が「政治資金疑惑」ではスタートからつまずく。本人も入閣を望まず、「院政」の方を選択するのではないか。
そこで左翼対策である。現在の民主党ネクスト内閣では、党内左派は要職に就いている。副総理にはばりばりの日教組・輿石東、外相にも日教組を支持基盤とする鉢呂吉雄と言った具合だ。いずれも国旗・国歌法案に反対であり、主張通りなら大臣室の日の丸は撤去ということになる。とりわけ輿石が文科相となれば、まず教科書検定問題に始まって、全国学力テストの廃止や、道徳教育である「心のノート」の廃止など、矢継ぎ早に日教組路線を教育の現場に浸透させるだろう。かって政権を取った社会党の村山富市は「日米安保条約は堅持、自衛隊は合憲」と答弁し、また「日の丸・君が代も容認する」と表明、55年体制から一貫していた社会党の路線を180度転換させた。しかし社会党でも柔軟路線の村山だから転換したのであり、“筋金入り”の本物左翼が入閣した場合、そう簡単に路線は転換しまい。社民党党首・福島瑞穂を入閣させるかどうかも、同様に問題となる。
自民党旧田中派の流れを汲む小沢と鳩山が、この危険性に気づかないはずはない。むしろ小沢は、ネクスト内閣を無視した人事をやるのではないか。世間の心配をかわす“逆張り”人事である。例えば、敵基地先制攻撃論の前原誠司や海賊対策での自衛隊派遣論の長島昭久を外相や防衛相に起用すると言った具合だ。それだけで、左翼を別のポストに取り入れても、安心感が出てくる。民主党には極右から極左まで“人材”がそろっているのである。また国民的人気を確保するために、ミスター年金の長妻昭を入閣させることは間違いあるまい。年金担当相だろう。加えて民間からは、多摩大学学長・寺島実郎、経済学者で国際金融論の榊原英資、元鳥取県知事・片山善博などの名が取りざたされている。いずれにせよ閣内に左右両派を抱えたスタートとなるが、マスコミとの蜜月期間は通常の政権通り3か月続けばよいところではないか。
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