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2009-08-04 21:34
初の本格的な「政権選択選挙」
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
真夏の一大選挙戦は、8月18日の公示を前に、激しさを増している。日本政治初の本格的な「政権選択選挙」だ。激烈な戦いになるのは当然だ。やはり、いわなくてはならないのは、小沢一郎氏の政局至上主義の真骨頂があらわれているということだろう。小沢氏のすごいのは、「なんでもあり」の一点にある。政局転換が必要だと思ったら、主義、主張、理念などはとりあえずわきに置いて、政局最優先で動く。
今回は、いうまでもなく民主党の勝利を目指す。そのためには「なんでもあり」を貫かなくてはならない。マニフェストが「ばらまき一色」となったのも、そのためだ。選挙を戦うのだから、消費税増税のニオイなどみじんも与えてはならぬ。本心では消費税を上げなくてはやっていけないことを百も承知しているのだが、消費税が前面に出たら、それだけで逃げる票が出てしまう。
だから、小沢氏は、マニフェストがいかに批判されようとも平気だ。永住外国人参政権だの人権擁護法案だのに柔軟な姿勢を示しているのも、それによって、そうした団体の票を得られるのであれば、いいじゃないか、といった感覚だ。もっといえば、地方参政権については、「さしたる実害はない。ほしいというのならやればいいじゃないか。これで日本に帰化する気持ちになってくれれば、もっといい」ぐらいの態度だ。
民主党マニフェストが、外交・安保・危機管理といった国家として最も重要なテーマについて、軽く扱っているのは、そのためだ。集団的自衛権などという厄介な問題にはとりあえずフタをしておけ、ということだろう。自民党マニフェストは、そこを見越して、外交・安保を前面に出した。「日本を守る、責任力」がキャッチコピーだ。民主党の「国民の生活が第一」と比べて、さあ、どうか。いずれが有権者にアピールするか。その勝負でもある。
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