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2009-06-04 08:49
北朝鮮の脅威と日本国民の安全
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
北朝鮮の軍事技術関連の実験のペースが速くなっている。地下核実験、ミサイル発射実験、これまでよりも遙かに速いペースで進んでいる。背景はともかくとして、事実として軍事技術が実験の結果進んでいることは確実だろう。日本の安全保障を考えたとき、体制の安定性に疑問符が付く北朝鮮の軍備増強だけでなく、共産党独裁政権の国家であり、台湾海峡などで必要以上の軍備増強を行っているものの、その意図が不明な中国もある。これらの脅威あるいは潜在的脅威の存在、そしてその増強は、日本にとって大きな懸念材料である。
憲法や法律での歯止めが必要なことは疑いの余地がないが、それ以前に国家国民の安全の確保は主権国家にとっては最重要課題であり、我が国は万全の備えをしておくべきであろう。中国の問題は次回以降に譲ることとして、今早急に考えなくてはならないのは北朝鮮である。核の小型化が進み、今一定以上の水準の技術レベルにあると思われるノドン・ミサイルと融合することとなれば、我が国は常に核の脅威にさらされる状況となる。また今でもWMDという意味で考えれば、化学兵器や生物兵器の弾頭は搭載できると考えるのが自然であり、我が国は非常に深刻な脅威のもとにさらされていると考えざるを得ない。
特にノドン・ミサイルは、移動可能な車載型かつ固体燃料のミサイルであることから、場所の特定が困難であり、同時多発的に飛来するミサイルに対して今のMDシステムのみで対応できるかといえば、正直不安を覚えざるを得ない。むしろ今までの防衛体系に加え、個別的自衛権の範疇で巡航ミサイル等の策源地攻撃能力を保有し、かつ事前の情報収集の体制も強化するというのが、我が国の国民の生命の安全を考えた場合には必要であろう。また、テポドン・ミサイルといったICBMの開発が進んでいき、やがてこれらについても性能の向上が見られるようになれば、アメリカの西海岸がWMDの脅威にさらされる可能性も否定はできない。
その場合にも、アメリカに日米同盟に基づく核の傘の提供を続けてもらうためには、アメリカに向かうミサイルについても我が国が連携して対応できるような、集団的自衛権の行使を可能にすることも必要であろう。すでに、艦隊が日本に向かうか、アメリカに向かうかで、それに対する対応が個別的自衛権か集団的自衛権かという時代ではない。ミサイルの発射から数分で着弾し、甚大な被害を被る可能性が高いという時代にあっては、これまでとは違った視点からの議論が必要である。こうした問題についてはまさに、国民、国家の安全の根幹に関わる問題である。政治家は机上の空論でなく、現実の議論として、積極的な議論を行い、現実的な結論を得るべきである。
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