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2009-04-23 08:03
公明対策で首相と官房長官が役割分担
杉浦正章
政治評論家
ニュースの流れを掌握していれば、官房長官・河村建夫の「公明党から警告」発言は、「あっ、麻生との役割分担だな」とすぐ気づく。首相と官房長官の役割分担の成果は何かと言えば、公明党を怒らせずに“友党”関係を維持できた、と言うことである。そして結果としては、麻生が解散へのフリーハンドを握った状態は変わっていない。うまいやり方だ。新聞各紙は表面ばかり追わずに、ここに気がつかねばならぬ。
河村は、“警告”という言葉をよくぞ使った。まさに本音が出たのであろう。「都議選が7月にある。この時解散したら、自民党の応援をしている暇はない、との警告を公明党からいただいている」と言ったのだ。公明党幹事長・北川一雄は直ちに「警告した覚えはない」と否定しながらも、「都議選で競い合っていて、衆院選で自民の候補をしっかり応援していくのは、なかなか容易ではない」と述べている。しかし、これが警告でなくて何であろうか。要するに、公明党は創価学会名誉会長・池田大作の至上命令で、都議選と衆院選のダブル選挙は絶対に避けなければならないのだ。それなのに麻生が、自民党の幹事長と国対委員長を呼び、早期解散につながる今年度予算案早期成立を指示したのだから、むくれるのも無理はない。公明党は、その“学会政党”としての本質を露呈させた。最後の切り札の選挙応援で政府・与党に“警告”という脅しをかけたのだ。
河村発言は、公明党の立場を「無視できない」と形容したが、普段から「解散は総理の専権事項」と述べている同官房長官が、首相に成り代わったような重大発言だ。解散の時期を特定するのだから、その背後にはまず確定的に、官房長官と首相の役割分担の調整がなければならない。まず、河村が麻生に「少し水をかけておきますよ」と事前了承を得ての上での発言だろう。河村発言後、麻生が「公明党という与党・友党には常日ごろから配慮は持っている。ただ、それに合わせて選挙の日にちを考えることはない」と打ち消している。図式は誰がみてもマッチポンプ型の役割分担である。
公明党にしてみれば、自民党国対委員長・大島理森が「首相はさまざまなことを考えるために、早期成立に非常にこだわって指示をした」と補正後の解散を匂わせたりしていることから、官房長官と首相の発言分担でほぼ納得したのではないか。学会側にも言い訳が立つ。いずれにせよ、今国会中解散の目は残り、麻生の「解散フリーハンド」は確保されている。
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