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2008-12-22 09:55

(連載)「審議会」「調査会」の類の弊害(2)

入山 映  サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
 何がそんなに馬鹿げているのか。この世界に余り詳しくない読者のために解説すると「ある年度の収入はその年に使い切るのが当たり前で、使い残りが出るのは例外的。それも次の年には使い切れ」というのは、単に組織の継続した存在にとって非現実的な前提であるのみならず、次のような馬鹿げた事態によって、法人の自己統治能力(ガバナンス)まで否定することになる。

 例えばノーベル賞のように、賞金を出して、ひときわ優れた業績を表彰する公益法人があったとしよう。ある年に「表彰するにふさわしい業績を挙げた人がいなかったから、今年は受賞者なし」とするのはダメ、ということになる。収入(賞金の原資)が支出(授与する賞金)を上回るからだ。ご親切にも「そういう場合は、次の年には繰り越しても良い」と、お役所はおっしゃる。で、次の年になった。再びさしたる業績として認められるものがなかったとしよう。それでも今度は「待ったなし。2年分まとめてか、少なくとも前年分は使いきれ(ノーベル賞を出せ)」という、冗談のような話になる。「卓越した業績を表彰しよう」という組織(賞)の目的を、「その年で一番ましだった業績を表彰する」という組織に化けろ、と言っているに等しい。

 小役人の法解釈が、法人のガバナンスを侵害していることは明らかだろう。法制度の愚劣さと委員会機能の弊害がややごっちゃになった議論になったが、世の委員会が全て公益等認定委員会のようなものなら、小宮先生の舌鋒も少しは変わったものになっていたかもしれない。もっとも各地方自治体に置かれる類似の委員会のうち、東京都の委員会は、まさに「妙なもの」としかいいようのない結論に達したりしているから、余り楽観的にもなれないのだが。(おわり)
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