国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-12-08 21:20

不況時こそ平等な所得分配を

四条秀雄  不動産業
 金融危機による米国の金融システムの停止は、実物的なフローの急停止をもたらしました。そのため至るところに巨大な在庫が生じて、日本企業といえども運転資金の凍結で行き詰まりを見せ始めています。
ともかく凍って止まったものは、融かして動かさないといけません。日本政府は、自動車など主要な耐久消費財の購入に時限的な優遇措置を与えるべきだと思います。このままでは、より大きな不況が襲ってくると予想されるからです。これに対処するにはどうしたら良いでしょうか?

 財政支出や金融緩和が正解のように思えます。しかし、よく考えると、この不況は大きな調整が本質なので、それへの対応は、次のような問いに応えるものでなければいけません。いったい、どの程度の調整が必要なのだろうか?経済全体を見れば、調整の規模がある程度予想できるかもしれません。ノーベル賞受賞のクルーグマン教授は、米国政府に「6000億ドル位の財政支出をしろ」と言っています。しかし日本では、財政政策は失われた10年で失敗しています。夕張に象徴される無数のハコモノの残骸とそれを管理する公務員組織の肥大化を資産とし、数百兆円の国債を負債とする、政府のバランスシートの著しい肥大化、これが結論でした。では、これからは、どうすれば良いでしょうか?

 私は、不況の間は所得分配を平等に近づけることが鍵だと考えます。これによって、意味のあるフローが維持されて、定まれば、つぎに何をすれば良いかが分かるはずです。日本の経済システム全体を所得分配の平等確保で維持しながら、外的なショックを受ける都度に、局所的な調整を試行錯誤的に繰り返して、切り抜けることです。その上で、必要なマクロ的財政支出も躊躇することなく実行すべきです。また、消費税の増税も実行すべきだと思います。深刻な不況時であればこそ、増税も受け入れやすいという逆説的な社会心理も利用すべきです。

 今回の雇用調整では、60歳間近の団塊の世代後期の方々に涙を呑んでいただいて、正規社員から非正規社員に転換し、若い世代を正社員として受け入れた方が良いと思います。麻生首相の3年後消費税増税が実行されれば、社会福祉予算も安定するのですし。これ以上若年層に負担を強いて犠牲にするのは日本全体として良いことではないように思えます。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会