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2007-12-06 20:30

連載投稿(2)途上国貧困層の直面する一群の環境問題

廣野良吉  成蹊大学名誉教授
 本年10月に東京で開催されたアジア・アフリカNGOネットワーク会議では、3つの分科会(投資と経済成長、人間の安全保障、環境・気候変動)が設置され、筆者はその第3分科会「環境・気候変動」のファシリテーターを務めた。アフリカ諸国から来られた市民社会の代表とアジアのNGO代表を中心としたパネル討議を基に、来年5月横浜で開催される予定の第4回アフリカ開発会議(TICADIV)に向けたアフリカ・日本・アジアの市民社会の意見を纏めた。

 「環境・気候変動」分科会は、(1)アジア・アフリカ諸国からの各パネリストの発表、(2)昨年発表された日本政府環境省中央環境審議会の環境国際協力検討会報告書、(3)同じく昨年発表された外務省気候変動「適応」研究会報告書、(4)アフリカ市民社会フォーラム(TCSF)が作成した「アフリカ市民社会白書」、を基にした結果、比較的円滑に分科会の合意文書を作成できた。もちろん、討議時間が限られていたので、アジア・アフリカの環境問題や環境政策、国際的な対アジア・アフリカ環境協力のすべての問題を議論することはできなかった。

 世界の途上国、特に低所得国やそこに住む貧困層が直面している環境問題の中でとくに深刻なものを列挙すれば、つぎのとおりである。(1)水産・森林資源の収奪、動物の乱獲、家畜の過剰生産による土壌破壊、(2)人口増による農地の疲弊、(3)旱魃・水不足による農地面積の低下、(4)企業・腐敗有力者による農地の収奪と転換、特に少数民族の農牧地の収奪、(5)都市部における大気汚染、(6)工業排水を含む有害廃棄物の不法処理による河川・湖沼・沿近海の汚染、(7)飲料水・農水産資源の汚染による健康被害、(8)武力闘争を含む内紛による農牧地・自然環境の破壊、(9)海外からの遺伝子加工種子・農畜産物(GMO-GE)の無差別な導入。(つづく)
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