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2025-10-07 09:08

(連載1)ネタニヤフ首相は振り上げた拳を下ろせるのか?

岡本 裕明 海外事業経営者
 イスラエルのネタニヤフ首相は世界の首脳の中でプーチン氏と共に行動が読みにくいひとりであります。ネタニヤフ氏自身が祖国防衛という強い思想を持っていることは確かです。ただ、それ以上に同氏は同国内で極右政党から突き上げを食らっており、連立政権崩壊の危機の中、ネタニヤフ氏が強硬姿勢を止められないのは自身の議会での立場にあるからではないか、とも考えられます。

 イスラエルの議会はクネセトと称し、一院制議会で議席の定数は120であります。その院内勢力は61対59、ほぼ拮抗状態にあります。もともとは与党にもう少し余裕があったのですが、今年7月半ばに連立与党のユダヤ教トーラ連合(UTJ)がユダヤ教神学校生徒の兵役免除の法案が進まないとして連立離脱をしてしまったことでネタニヤフ政権はまさに薄氷の政権運営となっています。

 その上、現在、連立を組み11議席を有するもう一つの超正統派政党、シャス党も離脱をほのめかしており、ネタニヤフ氏としては極右政党を満足させる外交政策を高い緊張感をもって行い続けなくてはいけない針のむしろ状態にあるのです。 ガザ地区を巡る展開はこの数日から一週間程度で大きな展開が見込まれるとされます。それはトランプ政権がリードするイスラエルとハマスの和平提案であり、トランプ氏は相当の自信をもってこの和平交渉に挑むことになります。草案作成にはトランプ氏の娘婿であるジャレッド クシュナー氏とウィトコフ中東担当特使が担当、和平交渉の席にも着く予定です。

 トランプ氏がここまで力を入れているのは自身のノーベル平和賞に淡い期待を寄せているからともされ、トランプ氏はその受賞のために様々な電話をかけまくっているとされます。つまり、トランプ功績第一主義であり、そのためにはアメリカ政府として最高の対策を打ち出し、トランプ氏は半ばネタニヤフ氏を電話で恫喝しながら和平提案受け入れをさせようとしています。今年のノーベル平和賞についてはトランプ氏は有力候補リストには現時点で入っていませんが、特に政治的配慮が大きいとされるノーベル平和賞はふたを開けてみないとわからないのでトランプ氏は本気そのものだともいえます。(逆に言えばノーベル平和賞受賞を逃したとき、トランプ氏の態度がどう変わるかも見ものだと言えます。)(つづく)
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