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2023-08-31 09:29

中ロとアメリカが一触即発なのに間にある日本は平和ボケ

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 日本では、いまだに「憲法9条を変えるか変えないか」というような話をしているし、また、武装に関して反対派がいる。日本という国は、外敵に占領されたことのない、世界でも稀有な国家であり、その事が「戦争に負けても、死なない方が良い」というような「奴隷思想」に染まってしまう人の大きな基本になってしまっている。

 なんといっても大東亜戦争に敗戦しながら、日本は主権を守った。それは主にアメリカが寛大な措置をしたというか、ある意味で日本を恐れていたので「あまり手荒な真似をしなかった」ということであると考えられる。しかし、このような戦後の処理に関しては、様々な話が出ている。アメリカが日本を壊そうとしたので押し付け憲法を行ったとか、共産主義者を容認したなどの話からご飯食を辞めてパン食にして、学校給食にパンを導入したなどの話、また道徳修身を無くしてしまったなど、様々な話がある。しかし、そのように日本を恐れ、日本に対して「手荒な真似をしなかった」ということは、当然に、それだけ日本が良く戦ったということであり、日本が本来であれば「一億総特攻」をする覚悟があったのに、その後天皇陛下のご英断によって無条件降伏をした。アメリカから見れば「余力を残している」というように見え、そしてその余力はまだまだ戦える、つまりアメリカにとって犠牲が増えるということを意味している。戦争に勝つ負けるという話ではなく、日本を支配するのに泥沼の状況に陥るということを予想するということになる。

 そのような意味では「日本が敗戦にもかかわらず主権を保持できた」ということは、それだけ日本人がアメリカを恐れさせ、簡単に日本を植民地化できるというような状況ではないということを意味しており、そして、それだけ日本人が犠牲を厭わずアメリカに勇敢に抵抗し戦ったということであったのであろう。要するに「勇敢に、そして正々堂々と戦い、強くあった」ということが日本が戦後主権を保持できた理由であり、全く抵抗しないとか、戦わないというような話があるが、そのような状況であれば、または散発的な抵抗しかしていなければ、日本は間違いなく植民地化してしまい主権どころか文化もアイデンティティも無くしていたのに違いない。今回のロシアいよるウクライナ侵攻を見ていて、そのように感じたのであるが、皆さんはいかがであろうか。そのロシアと中国が、日本近海で軍事演習を行い、そしてアメリカにまで出向いて行っているのである。ロシアは、ウクライナに侵攻していて、現在あまり良い戦況ではないような情報が、少なくとも日本に対して伝わってきている。情報というのは、どこからどの視点で見るかによって全く異なるので、日本の報道をそのままうのみにすることはできないのであるが、少なくともロシアの海鮮当初の目論見とは異なっていることは間違いがないのではないか。

 しかし、ウクライナの話は別にして、ロシアの反対側であるオホーツク海では中国とロシアが合同の軍事演習をしている。もちろんロシアに余裕があるということも言えるが、そもそもロシアは連邦制であり、なおかつウクライナで戦っているのは基本的には「陸軍」であり、オホーツク海で演習しているのは海軍である。そのように考えれば矛盾もない。同時に、その海軍の演習に関して、中国は「台湾への武力制圧」ということを目指しているという話がある。これに対してロシアは単純にその中国の行動に同盟として動くのか、あるいは「中国やロシアの目標が台湾ではないのか」ということを考えるべきであろう。では「台湾でない」と仮定した場合、なぜ中国とロシアの艦隊はアラスカ沖まで行ったのであろうか。簡単である。日本や台湾に攻め込んだ時にそれに対抗するのは、「アメリカ」である。しかし、アメリカの空軍基地であるグアムに行けば問題が大きくなる。また、ヨーロッパからの援軍もある。その場合「南航路」の場合は南シナ海で捕らえることになるが、北極海航路になった場合は、ベーリング海峡で捕まえなければ、ハワイ第三艦隊と合流されてしまうということになる。

 つまり中国とロシアの艦隊がアラスカ沖に行ったということは「日本も戦争に巻き込み、アメリカの太平洋艦隊だけでは足りない状態を想定しなければならない」ということに他ならない。当然に、中国ロシアの連合軍は「北海道」を中心にした「日本」を標的に入れているということになるのは間違いがないということになる。当然に与党自民党は麻生副総裁が台湾に行って「戦う覚悟」を示し、そのことに対して、アラスカ沖まで出張する軍事演習をしながら、その麻生副総裁の発言に対して「妄言」と言い放つ中国政府の言葉を誰が信じられるであろう。まさに、中国は「日米韓台湾」を標的にしているということがよくわかるのである。さて、ではその中国に対する日本は、いまだに憲法改正もできないどころか、まだ武装とか、訳の分からないことを言ってる。本当に主権を失い奴隷になってからでは遅い。香港の民主派などがどのようになっているか、ウイグルの人々がどんな思いをしているのか、日本人はしっかりとそれをみて、「明日は我が身」と思って対策を講じるべきではないだろうか。
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