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2021-10-03 08:13

「EUのアフガニスタン情勢対応」から考える

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 日本は、米との関係を基軸として国際関係を考えることはその通りだが、常に思うのは、米と日本はその国土、人口、資源などなど違いが大きすぎる。その点欧州の国々は、類似する点が多い、特に資源が乏しく、対外貿易に頼る部分が多いことだ。そうしたことから、渡辺啓貴氏の論文は注目しているが、9月28日付姉妹e-論壇「百花斉放」に掲載された「EUのアフガニスタン情勢対応」は、大変勉強になった。この中で注目したのは、仏の動きだ。他の主な西欧諸国の対応の遅れをしり目に仏は、早くから米の動きを読み取り手を打っている。勘ぐると、米が豪への原子力潜水艦供与をフランスとの契約を打ち切り決められたことは、計算済みだったとも読み取れる。いま表向きは怒っているが、反対にそれを梃に水面下でどんな取引をしているか興味深い。米の了解を取り付け、豪への潜水艦建造途中のもののインドへの変更などだ。

 調べると、フランスは台湾へ主力戦闘機ミラージュを売っている。それは、米民主党政権などでは、台湾への武器供与を極めて制限したからで、台湾としては大陸中国と向き合う上での苦肉の策であったのだ。もちろん、中国はその売却に怒り例により脅しをかけてきた。フランスは早々と、中国南部の広州総領事館を閉鎖することで済ませている。仏の中国へのくいこみは、英とも違い金融など主流経済を抑えるのではなく、学術面とか側面的でもある。2000年はじめの広東省のSARSの際、西側でいち早くそれを知ったのは仏だと言われている。仏の学者が医学面で食い込んでいた証拠だ。今回のコロナ騒動で、問題の武漢の感染症研究機関には、仏も食い込んでいて、色々な材料を集めているともいわれる。こうした動きは誠に端倪すべからざるものだ。

 わが日本は、島国で大陸のようなせっさ琢磨する地理的位置のいないため、国際社会でうぶなところが目立つ。原潜の導入については、今回の総裁候補者たちは、4名のうち3名は賛意を示しているが、実施に移れば国内で非難豪豪だろう。外交音痴の民主党政権時代に立ち返らなければなんでもいいとの良識ある世論層のあきらめでもある。たびたびのテロにも負けないで奮闘している仏社会のような強靭な体質を獲得したいものだ。

 話題を変えて、米の日本現代史研究者と話をした際、同人の「日本が本当に拉致を解決し北朝鮮との交流を目指しているなら、30年前の金丸訪朝の際の取り決めはキーとなるものだった。金丸は、1983年から長いこと抑留されていた富士丸の乗組員2名の釈放に成功した。同行した社会党幹部と戦後賠償も含め、3党共同宣言を勝手に作ったとして、帰国後袋叩きになった。しかし、あの時日本が北への支援を、中国、韓国、ASEAN諸国に行いいずれもうまくやり遂げたように実施していたならば、北の人々の今の苦難の道はなく、半島の核もなっかったかもしれない」との発言は興味深い。金丸信は、金の延べ棒をもらったとかその腐敗体質を突かれ失脚した。
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