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2021-09-08 18:06

スポーツの功徳

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 五輪もめでたく終了した。コロナ騒動の中、1年延期という前代未聞の事態が生じたものの、海外の人たちへの取材では、テロなど凶悪事件がなく、そんなに大ごとは発生しなかったので成功の部類に入るのではないか。五輪の中身の考察は、4-5年たたねば全貌は出てこないともいう。1年延期で、苦労して観客席に椅子を並べたのに、また取り外し、改めて設置しなおしたなど、ほかの国なら現場の人間がストを起こすかもしれない状況もうまく切り抜けられた。これは、一つには日本たたきに走り勝ちの隣国の中国が、来年そうその冬季五輪を控え、日本の成功がその実施には不可欠だったからだ。いずれにせよ、ISのような過激組織が日本についてはお目こぼししてくれていることもよかった。観客がいなくてその欠損はこれから頭が痛いが、世の中金で済む話はそのうち解決するものだ。一方、日本人の知人からは、「島国日本は、気を付けなければ世界の潮流に取り残される事態がいつも心配だが、こうして世界からの人たちを迎え、子供から大人までが、世界には様々な国があり、皆それぞれ生きるのに懸命なのだ。ハンデキャップを持つ人々も我々と同じ、この社会で快適に暮らす権利があるのだと肌身に染みて理解できたことも大きい」などとの意見がもっぱらだった。

 野球好きの知人は、開幕式で、長嶋、王、松井と出てきたときは、青春の思い出などが胸をよぎり、熱い思いがした。天才肌・長島、努力家・王とあの頃は言われたが、後半の長島は、半身不随の状態から、地道に努力し、社会で活躍している。後半生の長島もその生きざまは皆の手本だなどと述べた。彼に言わせると、政治家で人事の佐藤と言われる佐藤栄作総理は、両者のうちどちらかと言えば王を応援していたそうだ。また、松井秀喜は、老齢な二人の先輩の介添えもかね出てきたと思うが、米のニューヨークでも評判が極めて良い。ファンサービス、社会貢献など十全にやらねば、マスコミはじめうるさくたたかれる。彼は、日本の良い面を海外で広報している。海外の大リーグでの活躍についていえば、大谷の打者、投手としての大活躍、そして口うるさいマスコミも応援隊になる快活な人柄も立派だ。日本の将来について、不安を持つ必要はないとも宣う。別な知人は、セリーグから大リーグに行き、ひところ振るわずマイナーなどで低迷していた、筒香選手がやっと大リーグの空気に慣れてきたのか、ガンガン打ち出し、彼をひいきにしている別な知人は人間腐ることはない、地道に努力を重ねていればそのうち日が当たってくると、最近はご機嫌だ。パリーグの栗山選手が2000本安打を達成したが、テレビの通俗番組で、同選手を応援していた病をかかえていた少年、達成の直前急逝したことが出ていた。やはり、このニュースを見て心打たれるものがあった。少年へ励ましを行っていた栗山選手の行動にもじんーとくるものがあった。スポーツの功徳だ。

 同人から、お前はよくマスコミや政治家のこき下ろしをするがその態度はどうなのだと言われるので、ここで釈明したい。某大新聞の記者が、かって世界が毛沢東との権力闘争に敗れたナンバー2の林彪が逃げたというのを、時の中国政府の広報どうりにその事実はないと称していたこと。文革の末期、取材元を堂々と自分の著書に記し、その発言者がどんな目に会ったのか、多くの日本人はほおかぶりであることはけしからんと述べたことはある。これは最近、台湾の知人から提起されたことでもある。国のトップの大統領、総統のインタビューする記者は、その社のエースが出てくるが、確かにエースではあるが、彼の記者としての失点は許せないものがあるのも確かだ。勿論、同じ新聞社は、神戸支局の若い記者がむごたらしく殺され、その事件はいまだ未解決のままだ。北京で1976年第一次天安門事件がおこり、この事件は周恩来の逝去を悼むものであったが、その裏にはすさまじい権力闘争が秘められていた。そして、文革を生き残っていた鄧小平が倒された。彼は不死身で、その後復活した、ちなみにそのあとの第二次天安門事件は、鄧小平が悪役でその配下の胡耀邦、趙紫陽といった若手が失脚した。

 その第1次の際、デモの取材で、今問題にしている某新聞の記者、田所竹彦さんが、デモをすさまじい記者魂を発揮して撮影していた時、過激なデモ隊の一部の人間から、「何をしている」「政府の回し者か」などと言われ、大事にしている、カメラのライカをめちゃめちゃに壊された。殴打され、全身傷だらけになった際、筆者は近辺にいたので、大使館にその頃やっと駐在が実現した医務官を探し、手当てに奔走した。いまのコロナ時代でもそうだが、医者の仕事も大変なものだと思った。先進国にこうした医務官が勤務していると、中南米、東欧諸国の体制の整備が遅れている国の人たちが診療を頼んでくるのだ。医療は、急病者を捨てておけるわけにはいかないのだ。そして、その治療に使う、医薬品などは医者の自己負担になる。こうした、緊迫の中で命がけで仕事をしている人達にはただただ頭が下がる思いだ。戦後でも、岸さんも、安保条約改定後、右翼の暴漢に襲われ刺されたこともあったし、社会党の浅沼書記長は、なれぬ外交で中国からうまく利用され、「米帝国主義は、日中の共同の敵」なる言葉を述べたとなり、刺殺されている。
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