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2007-07-27 11:52

ヒトの受入れの開放度を高めよう

四条秀雄  不動産業
 モノ、ヒト、カネ、情報などが国境を越えて自由に往来するボーダーレス経済の時代にあって、日本の開放度が著しく遅れているのはヒトの受入れです。少子高齢化のなかで本来なら一番力を入れなければならないはずの分野ですが、対応が遅れています。そこで思いつくままですが、さしあたりすぐ実行可能ではないかと思われる3点について提言したいと思います。

 まず、外国で日本に関心をもち、少なくとも日本語を勉強しているひとたちに優先的に入国枠を与えるべきだと思います。一定の日本語教育を受けたことを前提に、2国間協定で受入れ数を定め、その範囲内でかれらを受け入れるのです。世界各地の大学で日本語教育を受けた人たちが、日本で就職しやすいような環境を整えるのです。たとえば最近、ロシアのウラジオストクの大学生で日本語教育を受けた学生が200人ほど就職難に直面しているという新聞記事を読みましたが、これらの卒業生を日本に受け入れて働いてもらうというのはどうでしょうか。現在でもワーキングホリデーの制度がありますが、もう少し間口と奥行きを広げるべきではないかと思います。

 つぎに、紛争地域からの難民の受入れを拡大すべきです。国際的な紛争予防や平和維持活動は21世紀の日本に期待される大きな国際的課題の一つです。サマワにおける自衛隊の活動は、そのような国際貢献の先駆けになるケースだと言われていますが、はっきりと分かったことが一つあります。それは、現地住民の協力を得ない作戦行動は不可能だということです。まして、戦闘行動を著しく規制されている自衛隊にあっては、住民の協力を引き出す作戦は、死活問題だと言えます。自衛隊だけでなく、日本のNGOなどが進出する場合でも、事情は同じです。そこで、紛争地域の難民を積極的に受け入れるべきだと思います。そしてかれらの知恵を借り、場合によってはかれらの参加を得て、日本の国際貢献を強化するのです。

 最後に、興行ビザの問題に触れたいと思います。最近、我が国は米国の人身売買報告書の指摘を受けて、興行ビザの発給を極端に厳しくしましたが、私はこの対応に違和感を感じています。従軍慰安婦の問題もそうですが、米国の指摘はキリスト教的価値観が色濃く、思い込みの強いものです。暴力団等の人身売買組織の摘発は厳しく進めるべきですが、興行ビザの運用をこれほど厳しくするのは見当違いです。米国的価値観の一方的強制のために、かえって不幸になっている人々がいます。これまでの状況に問題があったことは確かですが、その対応は、人身売買組織の摘発の強化であるべきであって、ビザ発給の制限やただでさえ厳しい日本の現行の入国制限をさらに強化することではないと思います。
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