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2021-07-13 17:19

日本におけるメディア空間

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 動物や植物に興味を持つ欧米人は、日本へ来るとその種類の多様さにビックリし、驚嘆の声を上げる。しかし、最近日本の新聞、テレビを眺め思うことは、論者が固定しているということだ。知り合いのアジアや欧米の識者はよく言うのだが、日本は確かにいろいろな意見を言える空間は持ってはいるが、日本本土だけがその空間で、その中で生活できる人間は限られてしまう。メディアは、切ったはったのら荒らしい面も持つのだ、人間だから生活していくためにはどこかで給料をもらわなければならないのだ。英語やフランス語なら、世界どこかに職を探せる。日本は常に同じような識者と称する人間が各テレビを掛け持ちして喋るのみだ。

 日本のメディアは頑張ってはいるが、人材も限られている。外交問題を種に私腹を肥やしたとして、日本の検察に起訴され刑に処した政治家とつるみ、自分は私腹を肥やさなかったとしても、彼はその政治家から漏らされた極秘の諸情報を種にいろいろ取材し、特ダネを上げたといわれている。ある海外の新聞記者は、日本人は特ダネをとるのは、金、ハニートラップのいずれかと考えている向きが多いが、一番情報をとれるのは、反対給付の情報を提供することだと述べる。彼は、自分が起訴され刑に服さなければならなかったのは、「国家による罠」だと述べる。

 しかし、この人物の周辺には、著名な言論人が応援団を作り盛り上げている。限られた日本のメディア空間に占める彼らの範囲は馬鹿にならない大きさだ。安倍総理時代に台湾は、秘宝の顔真卿の真筆の日本での公開を許したが、これは安倍総理が自民党の若手の時代から台湾を大事にしただけではなく、父親、そして祖父の岸信介、その弟の佐藤栄作総理、佐藤総理は、米政府に裏切られた台湾での国連での地位確保に全力を挙げた。その時代を知る台湾外交の現場の人たちはよく知っており、心から深く感謝しているのだ。外交は短期決戦ではなく長い年月の、関係の良いとき悪いときも焦らず、最悪に突っ込まないように、国内にも目配せしつつ、忍耐強く立ち向かうよりほかないのだ。前者の人たちのように短期決戦で行くとどこか落とし穴に落ちがちだ。外交は長い目で、したたかに、柔軟に対応することが必要だ。

 筆者の良く知る分野の中国での日本のメディア空間について反芻してみたい。今の記者協定の中身は、1968年のLT貿易時代にできている。コミニュケの内容で次のほうに述べる「日中両国は近隣であり、両国国民の間には伝統的な友情がある」とはじまり、いわゆる「政治3原則」、(1)中国敵視政策はとらない、(2)「二つの中国」を作る陰謀に参加しない、(3)両国の正常な関係の回復を妨げない、を挙げている。日本人記者は、「朝日新聞」を除いて各社皆追放処分を受けている。中でも心痛むのは、日本経済新聞の鮫島記者がスパイ容疑で逮捕され、1年半の期間、中国の牢獄つながれたことだ。わが国民はその当時は、あまりその運命に注意を向けなかった。鮫島氏は現役復帰後やはり体調を崩して、通常の年齢より早くお亡くなりになった。今日本の報道で、米台関係進展との記事が大流行だが、米の国是は、歴代政権が踏襲してきた「一つの中国」政策の枠組みは「両岸の安定と台湾の安全を保障してきた」であることを忘れないでほしい。
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