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2020-12-17 19:38

柳の下に泥鰌は2匹いるのか

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 12月14日の米における選挙人投票で、米の新しい大統領は確定したと報道は伝えている。バイデンはケネディに次ぐ米における2人目のカトリック教徒の大統領だ。ケネディの頃はまだ少数派として、WASP、白人、アングロサクソン系、プロテスタント全盛だったせいもあり、彼もカトリック色は出さないようにしていた。今や米におけるカトリック教徒は、有権者数全体の4分の1を占めるほどになって来ている。従来のアイルランドや欧州系に加え、中南米からのラティーノが増えたからだ。新政権で政策にどう出てくるか注目されるところだ。
 
 中国は、米国が中国の内政へ色々仕掛けをしてくるやり方を頻りに攻撃し、非をならしている。真相は外部の人間には分からないことだらけだ。2代前の法王のヨハネ・パウロ二世は米の後押しで冷戦終結に貢献したとも言われている。その葬儀には、法王が活躍した当時の大統領のブッシュもクリントンも参加している。日本は総理大臣補佐官だった。法王はその前任者のヨハネ・パウロ一世がミステリアスな死を遂げた後を継いでその遺志を継ぐということで二世を名乗ったのだ。就任後1か月余りの死は、欧米の映画、小説に良く取り上げられる。日本でも評判になったコッポラ監督、マーロン・ブランド主演の映画「ゴッドファーザー」にもこの場面が出てくる。法王は、空飛ぶ教皇とあだ名されるほど精力的に世界を飛び回った。1981年には日本を訪問したし、その前年には、日本の戦犯として処刑された人々のためのミサをとりおこなってもいる。
 
 法王は、米ソ冷戦の頃、米の秘かな後押しで、故国ポーランドや他の東欧諸国の民主化支援、精神的支柱として獅子奮迅の働きをした。法王は歴代2位とも言われる27年近く在位した。葬儀には米はじめ各国が大統領や首相を派遣した。イラン大統領、ヨルダン国王、アサドシリア大統領、イスラエル大統領、台湾からは陳水扁大統領が出ている。各国はこうした場面を外交の舞台として大事にする。現在のフランシスコ法王も、一部のうわさでは、米の後押しもあり、中国と和解の交渉をしていると言われる。冷戦末期の再演を狙っているようだが、果たして泥鰌は2匹いるのか。かってはキリスト教徒の国である東欧と全く宗教的背景をが異なる中国でこれが成功するかだ。しかし、プロテスタントの人数は1億人以上とも言われ、米などの支援が大きかったという人もいる。ちなみに、蒋介石夫妻は、プロテスタントの信者だ。
 
 習近平が国家主席として初めて訪米の際、オバマ米大統領は、カリフォルニアで大歓迎をした。その頃のオバマは、世界の課題の解決には中国との関係だ重要不可欠と見ていた。しかし、この弱腰外交が中国の増長もたらし、南シナ海はじめ各分野での傍若無人の態度を取らせることとなった。2015年の次の訪米の際は、オバマも怒ったのか手のひら返しの冷遇をした。習近平のワシントン到着と同じころ現フランシスコ法王の訪問日程を組み、法王には米議会での演説もお願いし、米世論、メディアは法王一色に染まり、習近平の訪米の影は薄くなった。米世論もこの頃から、共和党はじめ多くが習近平への国賓待遇での接遇反対の声も強くなった。米国とバチカンとの関係は、お互いそれぞれ利用していることでもあるのだろうが、はなはだ興味が惹かれる。
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