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2020-12-11 09:33

国際情勢はあざなえる縄のごとし

中山 太郎 非営利団体非常勤職員
 国際情勢はあざなえる縄のごとしで、明日はどうなるか分からないが正解なのだ。モリソン豪首相がコロナ禍の最中、帰国後の2週間の隔離生活の規則をものともせず訪日し、経済、安全保障などに連携を歌った。米の知り合いの専門家は、こうした流れは必ず反動が来ると述べていたが、果たして閣僚の一人財政担当のJosh Frydenberg が、中国へのラブコールを送っている。中国のコロナ対策の完璧さを称賛し、学ぶべきと述べ、経済についてもうまく関係を維持したいと述べたりしている。豪としては英語のAmicableな関係を期待したのだとも述べている。安全保障は米頼みだが、経済は中国頼みと言う構図は日本と同じで、これは他のアセアン諸国も同じだ。アセアンは、タイ、マレーシアを除くと圧倒的に中国勢力内にあると述べる学者もいる。
 
 今ちまたでは、米新政権となり対中関係にどう変化が出るかの予測にあふれている。強硬維持と柔軟路線、その中間といった具合だ。今のところは、ワシントンの空気は民主党も共和党も中国警戒心が強いので、当分は対中関税政策継続などが続くのではとの見方が多い。しかし、バイデン大統領は選挙の公約で、感染症対策、地球温暖化対策に取り組む旨高らかに唱えているので、この面で中国と交渉の際、他の分野での譲歩もあり得るのではとの危惧がある。また、日本にとっての悪夢であるオバマ政権およびバイデンは副大統領時代の、尖閣を含む東シナ海での一方的な防空識別圏設置、南シナ海での軍事拠点増設に何の手も打たず今の惨状をもたらせてしまったことだ。あの時もう少し強く中国へメッセージを送っておくべきだったと悔やむ人たちも日本にはいる。
 
 中国はどうかと言うと、また、硬軟のそれとその中間と同じような構図だ。知り合いの中国人学者は次のように述べている。中国は途上国として、これから高齢化少子化時代に入る、日本と違いまだ社会保障体制も完備していない状況でだ。人間が生きるためには、水、空気、食糧などでの環境問題、そして食べることだ。中国国内の食糧需要増加に対し、国内の生産は追いつかない。14億人と言う広大な市場は、世界での購買の武器にもなるが、弱点ともなる。輸出を止められる恐れがあるからだ。米中対立が激しい最中だが、豚肉、大豆、トウモロコシなどの米からの輸入は、40%以上の伸びだ。こうした食糧、農畜産物の米、豪などの安定し、品質もそれなりに一定である供給先はそう簡単には見つからない。言葉では、国内での食糧増産、輸入先の多様化などいくらでも言えるが、実際の問題としては易しくないのだ。日本では豚肉より牛肉の方が喜ばれ牛丼の方が豚丼より高いが、中国では豚がご馳走だ。中国は世界の豚の飼育数8億のうち4億以上で、57%を占めている。2018年中国で、「アフリカ豚熱」が流行し、豚肉の値段が国内で高騰した。これは政権を直撃した。政権は今、この豚肉以外でも食糧備蓄に心掛けてはいるが、これが吉と出るか凶と出るかは誰も分からない。日本では、バッタの被害はアフリカだけの話と考えているようだが、中国の南から、インドとの間にはヒマラヤ山脈と言う高山が壁となり飛んでは来ないが、ラオスの密林から雲南省へ飛んできてこれもばかにならない。雲南は、中国第2のトウモロコシ生産地帯だと述べている。
 
 日本の多くの人たちは、この米中対立をよそ事に見ているが、だが第二次大戦前の時代、米で先に中国人移民禁止法が出来、そして人権をうたう民主党政権ウイルソン大統領時代に排日土地法が成立したことを忘れてはならないだろう。
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