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2018-12-14 08:27

ファーウェイ問題について考える

中山 太郎  非営利団体非常勤職員
 ファーウェイ問題は今、日本のメディアなどで色々取り上げられ騒然としている。一時釈放された孟副会長は、バンクーバーの自宅の前にたむろする取材陣へビザを届けたとか。あるテレビコメンテーターは、ファーウェイ製品に組み込まれていたとされるトロイの木馬的な秘密の回路につき、「これは会社側が知らないところでおこなわれたかもしれない」と述べていた。皆が興味をひかれたのは、同副会長が、7つの旅券を所持していたとカナダ側から暴露されたことだ。

 これらで思い出すのは、中国で友人のビジネスマンが裁判沙汰になり、付き添った時だ。中国側の原告は、集まった報道陣などへお菓子の月餅を配った。それに添えられていた封筒にはなにがしかの金が入っていたことだ。旅券については、やはり中国で別の友人がビジネス相手の中国人の御曹司が急に西側某国へ旅行に行きたいと言い出し、その手続きの手伝いで同行した。某西側の担当領事は丁寧に彼に向かい、査証発給のためには旅券が必要ですと説明した。それを聞いた御曹司は、その場で外交部へ電話した。まもなく、中国外交部の担当官が、旅券を持って駆けつけてきた。

 また、メディアでは、拘留されている副会長がかわいそうだとか、日本は米中の間に立って取り持つべきだとかの議論も聞かれる。これに関連して、知人の米学者から、11月7日の大統領ステートメントなるものが参考として送られてきた。トランプは、中身を読んでいるのか不明だが、今の米の立場を明確化している。内容は「一帯一路共産主義犠牲者追悼の日に寄せて」というもので「共産主義の全体主義政権により殺害、迫害された1億人以上を追悼する」というものだ。これで思い出すのは、80年代上海にいたとき、時の上海市書記は、中国のキッシンジャーといわれた王道カン(サンズイに函)で、市議会議長が胡立教だった。党機関紙「解放日報」にある日、記事が出ていて、胡の息子が、100人近くの女性を強姦したので、死刑にすると出ていた。この話を日本へ帰り紹介したが、周りは皆信じてくれなかった。同米学者によると、西側諸国は、中国の通信機器は危ないと米に横並びを目指しつつあるが、メルケル首相の独は、一部独のハイテク企業の中国による買取は不許可にしたりしているが、裏で手を組んでいるようだとのことだ。

 日本では、反日のメルケルにフアンがいるが、彼女が10万人難民受け入れを高らかに宣言したころ東欧の学者と意見交換をしたが、彼は、ベルリンがかって全体主義国家により封鎖されたときには、西側は、航空機で生活物資を空輸して助けた。金持ち国の独も、現地から直接人々を航空機で運ぶべきだ。貧乏な我々を、通り道にして苦しめるのはやめてくれと述べていた。などと考えていたら、本欄でいつも熟読する田村秀男氏の投稿「「米国が警戒する『日中通貨スワップ』と『一帯一路』の関係」と倉西雅子氏の「清華大学による巨額投資について」の記述を読み、日本へも触手が伸びてきていることを改めて知り、外交下手の日本がこのキツネとタヌキの化かしあい的な国際状況を上手く泳ぎ切れるのか暗然たる思いだ。
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