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2017-08-31 20:09

(連載1)戦略的に重要なベトナム

鈴木 馨祐  衆議院議員(自由民主党)
 先週、自民党青年局長として自民党青年局訪越団とともにベトナムのハノイとホーチミンを訪問し、要人との会談やホーチミン共産青年団との会議、日本の経済協力の現場視察などを行いました。私が3年前に青年局国際部長だった時にスタートしたベトナムへの公式訪問も今回で二回目となり、今後さらなる関係強化に努めていきたいと思います。

 ベトナムは南シナ海における中国の国際的なルールを無視した行動にも毅然と対峙してきており、実際今回の出張中も先方から尖閣・東シナ海の問題への言及があるなど、軍事拡張・覇権主義路線に奔る中国の状況を考えたとき、安全保障の面からも戦略面からも、ASEAN地域ではある意味日本と一番利害を共有できるパートナーです。実際、カンボジアやラオスをはじめ多くのASEAN諸国で中国の影響が急速に強まっている中で、その流れに抗しているベトナムの存在は日本にとって極めて大きな意味があるといえます。

 そんな中、日本の同盟国であるアメリカも、東南アジアのカギを握る国の一つとしてベトナムを重視してきています。同時に、軍事的にも経済的にも中国の直接的な脅威にさらされているベトナムは、日本やアメリカがどの程度真剣に東南アジアにコミットするのかを注視している状況です。だからこそ、日本(とアメリカ)がベトナムを重視しており、きちんとコミットするのだ、ということを様々な局面で伝えることが地域の安定のためにも極めて重要です。それを象徴するように、今回の我々の訪問もベトナムのメディアでも多く取り上げられていました。

 またこうした戦略面以外にも、ベトナムは国民感情も極めて親日的であり、かつ経済面からも成長が著しい中で日本企業の進出も急増しているなど、日本が今後関係を深めていくべき国の一つです。実はTPPについても、戦略的意味合いはもちろんのこと、これを梃子にルールベースの経済への転換を中心に、国内の改革を推し進めようという政治的な構図がベトナム国内にはあり、その意味でも日本が今後TPP11を進めていくうえでも極めて重要な国といえます。(つづく)

 
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