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2016-11-01 19:21

内向きなトランプと外向きなクリントン

川上 高司  拓殖大学教授
 大統領選挙もいよいよ最終コーナーを回った。10月20日~27日にかけてのアメリカ政治情報サイトのRCP(リアル・クリア・ポリティクス)の世論調査では、クリントン支持が47%、トランプ支持が42%とクリントン優勢である。誰もがクリントンの当選を確実だと思いながらも、心のどこかで「でも、終わってみるまではわからない」となかば期待をこめて動向を見守っている。イギリスでも国民投票で、まさかの「EU離脱」が決まったのである。

 トランプの支持を支えているのは、白人層の政府への不満である。連邦政府に対して不満を通り越して怒りを持っているのは、トランプ支持者では38%、対するクリントン支持者ではわずか6%にすぎない。逆に政府に満足しているのは、クリントン支持者では38%、トランプ支持者では2%である。では政府のどこに不満があるのか。10月27日のアメリカ調査会社であるピュー・リサーチ・センターの世論調査によれば、アメリカが外国への支援をすべきか否か、クリントン支持者では56%が支援すべきだと考えているが、トランプ支持者は70%がアメリカ優先とすべきであると考えている。

 TPPについては、クリントン支持者では54%が推進派、トランプ支持者の66%が反対である。また、ISIS対策としてシリアやイラクに軍事的関与をもっとするべきだとクリントン支持者の58%が考えているのに対し、トランプ支持者の67%は、これ以上はしないべきと答えている。シリア難民に対してもトランプ支持者の87%は、支援しないでいいと答えている。

 こうして世論調査の結果を見てみると、トランプ支持者は外交よりも内政、もっと国内問題に力を入れて欲しいとトランプに期待していることがわかる。彼らは白人福音派や白人プロテスタントが主体となっている。前者は75%、後者は48%がトランプを支持している。支持者のうちわずか37%だけがトランプに外交政策を期待しているだけである。2008年オバマが大統領に就任したときは、「一つのアメリカ」を訴え国の分裂を回避しようとした。黒人が大統領になることで、人種の問題は乗り越えることができたと誰もが考えていた。だが8年間で社会の中での分裂は深く進み、白人層の巻き返しという形で分裂の危機が再び訪れている。
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