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2016-04-23 08:46

(連載1)伊勢志摩サミットと新成長戦略

角田 勝彦  団体役員、元大使
 国際通貨基金(IMF)は、4月12日に発表した世界経済見通しで、日本の経済成長率を、2016年0.5%、2017年マイナス0.1%と、前の予測(1月予測は、それぞれ1.0%、0.3%)より下方修正した。世界全体では中国の減速や資源国の投資縮小に伴う貿易停滞を見込み、16年の成長率を3.2%と引き下げた。「不確実性が増し、成長が鈍化するシナリオが顕在化しつつある」と強調し、日本を含む各国に財政拡大や金融緩和などの適切な対応を求めた。

 米ワシントンで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は4月15日、減速する世界経済のてこ入れ策で、「金融政策、財政政策、構造改革のすべての政策を総動員する」という方針をあらためて確認する共同声明を採択した。5月26~27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、政治軍事(核兵器のない世界、中東、 ウクライナ、南・東シナ海問題、北朝鮮、テロ等)、社会(環境、エネルギー、防災問題から、国際的な課税逃れ問題に至る広範なテーマが討議されるだろうが、中心テーマは、世界の持続的な成長に向け各国の積極的な取り組みをどう打ち出すかになろう。

 安保関連法成立後、あわよくば衆参同時選挙を実施して衆参両院で3分の2を獲得し、憲法改正を実現しようと目論んだ安倍晋三首相も、熊本地震もあり、経済最優先路線に戻ったようである。2%の経済成長と2%のインフレを約束してから3年余り経つが、期待された成果を上げていないアベノミクスの完遂に力を尽くそうというのである。ちなみにアベノミクス3年間の実質成長率は平均0.6%と民主党時代の3年間平均の2%を下回る。主因は個人消費の低迷にある。

 アベノミクスの最初は金融政策であった。日銀による金融の大幅緩和による円安で、企業に収益を上げさせ、投資や賃上げにつなげようとしてきた。円安・株高で効果を見せたそのシナリオは最近の円高傾向で崩れつつある。4月のG20で、日本麻生太郎財務相は米国ルー長官に対し、円高是正に向けた円売りドル買いをサウンドしたが、反対された。「円安頼み」の景気回復は困難となった。(つづく)
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