国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2015-07-23 16:50

(連載1)やらねばならないことを出来るようにする安全保障法制

鈴木 馨祐  衆議院議員
 安全保障関係法案が衆議院本会議で可決されました。なぜ今この法改正が必要なのか。それは、日本は集団的自衛権を所持しているが行使できないとした従来の憲法解釈やそれに基づく法体系のもとでは、自衛隊の現場での国際的な常識からすれば制約されすぎた行動により、日本が世界から孤立する事態を、日米関係が事実上無効となってしまうような事態を招いてしまうリスクが極めて高かった、だから一刻も早く是正する必要があった、この点に尽きるのだろうと思われます。

 代表的な例として、いわゆる「駆けつけ警護」「米艦防護」があります。世界中で行われる国連の平和維持活動(PKO)の現場、国際協力の現場では自衛隊も他の国々の部隊とともに汗を流しています。今すぐにでもあり得るケースとして、日本とオランダ、デンマーク、オーストラリアの部隊が共同で作業し、夜の宿営はそれぞれが近くに設営している場合。すぐ隣のデンマークのキャンプが国に準ずる組織に襲撃されたとき、ほんの少し離れたところにいるオランダもオーストラリアも仲間が襲われているわけで、デンマークのキャンプに急行し一緒にこの組織と戦う、これは人として、仲間として当然のことです。

 ところが目と鼻の先にいる日本の自衛隊は、一切これを助けることが出来ない。目の前で襲撃されている仲間を見殺しにしなくてはならない。なぜなら今の憲法の解釈のもとでは個別的自衛権の行使のみを認めているため、自らが攻撃されていない以上、一切の手出しを禁じられているからです。はっきりいって、現地のデンマーク・オランダ・オーストラリアの部隊からすれば、「国内の憲法があるので」といっても理解されるはずがありません。

 それは平和国家などというものではなく、ただの自己中心的な国でしかない。実際に仲間が殺されているにもかかわらず、黙殺したとすれば、それを信じられる仲間と思ってくれるか、思ってくれるはずがありません。さらにはその母国でも、あるいは世界中が、自分のことしか考えていない日本を相手にしなくなる、これは火を見るより明らかです。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会