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2006-10-04 12:18

世界の混乱の原因は中国にある

四条秀雄  不動産業
 日本の台頭は、一時は非常に恐れられたが
(1)日本が通貨高を受容すること(国内調整を受け入れるということ)
(2)日本が少子高齢化をすること
(3)日本が省エネ省資源に努めること
(4)日本が、国際協力に気前よく資金を出したこと
(5)日本人はほとんど移民をしなかったこと
(6)外国資本の参入を許容すること
で、世界経済の中にうまく納まった。

 公共部門や金融などの規制業種の組織体統治がしっかりしていれば、バブルのような急激なバランスシートの拡張と収縮を経験することなく(1)を成し遂げ、ほぼ満点に近い世界経済への適応を成し遂げただろう。それは世界に例をみない快挙だったし、日本はほんとうに凄い国だと誇れたことだったろう。しかし、大きな汚点を残したので偉業の印象は薄い。それでも、日本の通貨高への適応は歴史に例がない偉業なのだ。

 その日本を基準にすると、現在の中国は全く駄目なのだ。これでは世界経済への中国経済の適応は絶対に失敗する。中国のやっていることは古臭くて過去に悲惨な結果をもたらした対応策のオンパレードだ。
移民を押し出しFTAを多発し通貨安を維持して調整を国外に押し付けるやり方は戦前に失敗した。私から見ると、現在の不思議な中国賛美は、文化大革命賛美のような既視感がある。こんなことをしていると、戦前同様に世界経済が崩壊してしまう。安部首相は、対中韓外交を急いでいるようであるけれども、これも全く理解できない。米国の日中和解誘導発言を真に受ける必要は無い。米国にとって日本の存在の第一の意義は安保上の地理的特性にあり経済力は二の次だ。中国が日本に対する不満を米国に言えば、米国は中国に対して多少の配慮はする。その中国向けの発言を、中国のコントロール下にある日本のマスコミが日本向けの発言のごとく大袈裟に伝えているに過ぎない。

 問題は、米中露仏独の周辺で起きている。イタリアやトルコやグルジアやアフガンや中央アジアやタイやインドネシアなどだ。だから日本の外交もそういうところに注力しないと大切な情報も得られず状況に流されるだけになるだろう。そして経済的には、今は、米国市場や欧州市場にがっちりと結びついておかないと後で大変なことになるだろう。戦前のグローバリズムは、現在の中国のような対応を各諸国が取った結果、草の根から反グローバリズムが隆盛し、一つの業界を保護する法律に次から次へと無数の業界が相乗りして拡大した。こういう動きには民主制議会制度はとても弱い。将来の草の根の保護主義を予感して、少なくとも米国や欧州市場への法的アクセスを確保しておかないといけない。日本にとっても中国と一体であるというのは非常に拙い結果を生むことになる。

 ロシアの引き起こしたサハリン問題は、グルジア問題と連動している可能性が高い。ソ連が独ソ戦争の前に、日本に大規模な軍事行動を企てた例が想起される。グルジア問題が首尾よく片付くと、相当に強硬なことをしてくる可能性が高い。従って、グルジア問題と同時並行してサハリン問題も紛争を拡大させてしまった方が被害が少ないかもしれない。ソ連の崩壊は、KGBが企画した自作自演だという説があるが、最近の動きはその説を補強することが多い。いずれにしても、ロシアがこういう冒険に出られるのも中国の存在があってこそである。中国との関係は、相当な注意が必要になってきているように思う。日中関係の改善など、現時点で全くナンセンスだ。日本を必要とするなら、中国は経済界レベルで勝手に強引に利用するだろう。安倍首相は、最初の訪問国を中国韓国にしました。さあ、それで次にどんな手が打てるというのだろう?何もないし、気休めにすぎず、全く無意味なのだ。中国訪問の前と後で、何も変わらない。いずれどうしても日本の首相に来て欲しいという時が来た筈なのに、その時に切る札を何の見返りも無く今切ってしまった。何もしない方が遥かにマシな選択だったといえるだろう。

 2006年10月9日に北朝鮮の核実験が行われましたが、これは、中国の日本への懲罰行動だろうと私は解釈します。天安門事件後の天皇訪中後に懲罰として尖閣諸島の領有宣言が行われましたが、今回は、領土問題ではなく、安全保障への威嚇が行われたと解釈すべきでしょう。安部首相の訪中は、安部氏の心の問題はともかくとして、中国が日本国内に形成した工作網が適切に機能したことを証明しています。従って、北朝鮮の核保有が日本の核保有に繋がることを、中国は阻止できるという自信となりました。従って、中国は安心して緩衝国である北朝鮮の核保有・核ミサイル整備に進むことができます。安部首相の訪中が決まると、即座に、北朝鮮に対して核実験の指令を出したと私は想像します。私としては、今回の騒動は、安部首相の訪中が招いた結果であると見なしたいと思います。彼は訪中すべきではなかったということです。日本が、世界経済になせる最善の行動は、中国から距離を保つということです。これが、世界経済に安定をもたらします。なぜなら、この日本の行動によって中国は自国の振る舞いについてより慎重になるからです。それは、中国経済に依存して勝手な行動をするロシアやイランやその他の資源国に抑制的影響を及ぼすからです。反対に、今回のような日中友好路線を取れば、間違いなく世界はどんどん不安定化するでしょう。
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