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2013-11-06 00:24

(連載)インバウンドにとらわれない観光戦略を(2)

鈴木 馨祐  衆議院議員
 インバウンドの数が大きい国は周辺に大きな国がたくさんあったり、陸続きだったりします。日本はそのような条件には恵まれていません。日本がオーストラリアやニュージーランドよりもインバウンドの数が多いのは、台湾や韓国、中国といった周辺国から多くの方が来日しているからという要因も大きいようです。

 そして、この事実から考えねばならないことは、とにかく数を追うということは日本の地理的条件からすると現実的ではない、ということかもしれません。もちろん今の1000万人に満たないという状況は変えていく必要はありますが、それを2000万人、3000万人にしていくことが果たして現実的なのか。むしろ1300万人程度でも優良な観光客・ビジネス客、あるいは富裕層の定住、といったことを目指す方が現実的かつ建設的かもしれません。

 よく旅館の方などがおっしゃいますが、「マナーの悪い中国人観光客が増えると他のいい客が逃げてしまう」という実態もあります。そんな中で、やはり日本としては観光にしてもビジネスにしても、誰でもいいというのではなく、良質な外国人を主なターゲットにした観光・ビジネス戦略を組んでいくべきかもしれません。ある意味での選択と集中が、インバウンドにも求められる時代になっているのかもしれません。

 たまたま先日聞いた話。インバウンドの数で2012年日本とほぼ同じだったのはフランス(1位)、イタリア(5位)、ドイツ(7位)に囲まれたスイス(32位)だったりします。観光大国のイメージが強いスイスですが、実際の来訪者数は意外に少ないというのが正直な実感です。一人ひとりの付加価値ということも、今後の日本の生きる道の中では模索する必要があるかもしれません。(おわり)
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