国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2010-07-05 07:25

支持率急落のなか、必死の巻き返しを図る菅

杉浦 正章  政治評論家
 7月4日日曜のNHKと民放の「党首討論」を録画して、つぶさに見た。新聞は日曜のサボり癖が抜けないのか、皆素っ気ない報道ぶりだが、首相・菅直人の“逆襲”が目立っていた。とりわけみんなの党の渡辺喜美を集中攻撃、ぎりぎりの選挙戦でみんなの党が自民党にまさるとも劣らない“好敵手”になっていることをうかがわせた。さすがの渡辺もたじたじ。一方で、新党改革代表・舛添要一には連立を持ちかけるなど、したたかさを見せた。内閣支持率が軒並み急落し、民主党政権の過半数割れが極めて高くなってきたなかで、必死の巻き返しの状況だ。

 内閣支持率は由々しき状況だ。朝日が発足当初の60%から39%に、読売が64%から45%に、それぞれ急落、消費税増税論への反発の根深さを見せつけている。こうした中で「いつでも1対1の真剣勝負ならやる。1対8の議論は議論ではない。下手をすると吊るし上げになる」と、連立の国民新党まで“敵”とみなして、「党首討論」を渋っていた菅だが、なかなかどうして4日の討論では、準備万端整えて、攻撃的だった。まず始めに「当方からも質問させてもらう」と先制攻撃を宣言。主にみんなの党と共産党をやり玉に挙げた。共産党は近ごろ喧伝している「消費税は法人税減税の財源にするため」(委員長・志位和夫)という主張について、「それは法人税収が24兆円もあった昔の話。国際競争を今の法人税率でできるのか」とやり込めた。次いで矛先をみんなの党代表・渡辺喜美に向けた。

 まず、渡辺が「30兆円の埋蔵金がある。これを活用すれば消費税増税はしなくて済む」と発言していることについて、菅は「外為の埋蔵金なら税外収入として既に予算に盛り込んである。渡辺さんの労働保険金から5兆円を取り出すというのは、スジが悪い」と決めつけた。そもそも有権者は民主党の「埋蔵金20兆円」で懲りている話であり、渡辺の30兆円はまさに誇大妄想の部類だ。菅はそこを突いた。加えて、「民間人材登用・再就職適正化センター」を将来のある時期を決めて廃止するようにするサンセット方式を渡辺が推進しようとしていることについて、「自分が作ったものがおかしいから、廃止法案を出した。サンセットというなら、反省をこめて『廃止』といわないと、責任逃れだ」と急所を突いた。渡辺はおたおたして、「暫定措置だから」と言い返すのが精一杯。菅は渡辺攻撃で相当理論武装して望んだ感じが濃厚だった。

 一方、自公政権批判は「政権担当の9か月間のことを非難するなら、その前自公政権11年間で220兆円の国債乱発したことを言わなくては不公平」と主張。これには公明党代表の山口那津男から「菅総理は自社さ政権の時に国債を増やしたことをお忘れか。そういうことは言えないはず」と切り返され、水掛け論に終わった。消費税に関して谷垣が「大きな認識は一緒だ」、「消費税の問題提起は評価する」と、ここに来てなぜか“敵に塩を”送り始めたのを奇異に感じた。事前に世論調査の動向が耳に入っていたからに違いない。消費税増税を菅にけしかける作戦とみた。白眉は、舛添に対して菅が「一緒にやってはどうか」と持ちかけたこと。筆者はかって小沢一郎のボディランゲージを読んで幹事長辞任を予言したが、舛添は全身でうれしさを表現した。舛添は口では「いくら団塊の世代だからといって、そう簡単には」と述べたが、満面笑みのボディランゲージは「入閣なら、すぐOK」と読めた。背景には、菅も過半数割れの可能性を強く認識していることをうかがわせた。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百家争鳴』から他のe-論壇『百花斉放』または『議論百出』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会