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2010-02-09 12:18

浦木さんの論述を読んで

中山 太朗  団体非常勤研究員
 2月5日付けの本欄「百家争鳴」への浦木赳夫治さんの投稿「偏狭な民族主義から距離を置こう」は、立派な言説だ。しかし、現実世界は厳しい。ここで2点だけ、気づいたことを提起したい。

1.我々日本人は、アジアで活動していくに当たり、「歴史認識問題」で常に悩まされてきた。今回の報告書「日中歴史共同研究」のポイントは、第3部「戦後」の部分が中国側の主張で公表されなかったことだ。一部日本メディアはこれを「日本の譲歩だ」と叱責している。しかし、これは日本に対し執拗に「歴史を直視していない」となじる中国も、やはり自国の負(大躍進や天安門事件)の部分を直視することは難しいことを、世界へ示したものであり、その意味合いが重要だ。

2.中国の南部の大都市広州の、日本でいえば浅草に当たる場所、三元里に、抗英記念館がある。日本人は自閉症気味で、抗日記念館ばかり気にするが、中国は近代において世界中からいじめられ、陵辱を受けた。記念館はアヘン戦争をテーマにして、英国兵を糞壷に投げ込んだなどのプレートがある。別な場所で会った英国外交官は「英国人は気にしていない」と述べていた。記念館も半分は既に道教の廟になっていて、年配のご婦人が線香などを奉じていた。英国の暴虐など忘れたような、平和な空気がただよっていた。

 「中国は、なぜ日本にばかり強く当たるのか」と知り合いの中国人に尋ねたことがある。彼は「日本人が一番最新の侵略者であること。隣国なので近親憎悪的な心情があること。つまり、異星人のような白人なら許せても、同じ皮膚の色の日本人では許せない、といったところかな」と述べた。歴史問題解決には、時間がかかること、英国人のような老成した態度の保持が必要だ、と悟るべきだ。
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