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2009-12-13 17:32

(連載)中国マクロ経済政策の方向性2010~2016年(2)

関山 健  東京財団研究員
 この外需に過度に依存した経済構造を調整し、外的ショックに強い内需主導の経済構造に作りかえようという方針は、2011~2016年を対象期間とする第十二次五カ年規画(「十二・五」)の基調にもなりそうだ。筆者が中国政府当局者や政府系シンクタンク研究員などにヒアリングをしたところでは、「消費を中心とする内需拡大によって安定期な経済成長を実現することが、『十二・五』期間における経済政策の出発点だ」(中国マクロ経済当局者X)という。

 別の中国マクロ経済当局者Yも、「今後の成長は内需主導を目指しており、貿易依存度を現在の60~70%から50%以下に引き下げることが、当面の数値目標だ」と語る。外需のボーナスを頼りにしない以上、経済成長率も近年のような二桁成長は望まない。ただし、潜在成長率とされる8%を割り込むようなことになると過剰労働や過剰設備などの問題が露呈することから、「当面は8%以上の成長を堅持する方針は変えられない」とYは言う。

 また、「十二・五」期間のもう一つの大きな課題は、資源と環境の保護だ。コペンハーゲンで開催中のCOP15を持ち出すまでもなく、中国自身の持続可能な発展のためには資源と環境の保護が不可欠であるとの認識は、中国の政策立案者の間で日に日に高まっている。2020年までに単位GDPあたりのCO2排出量を2005年比で40~45%削減するとの中国の宣言は、8%成長を前提とする限りCO2排出総量の削減につながらない見せかけの国際貢献にすぎないが、資源環境保護による持続可能な発展の実現は、「十二・五」の重点項目となることは間違いないようである。

 問題は、どうやって資源環境保護を図りながら、内需主導で8%以上の高度経済成長を実現するかだ。この点、中国政府当局者や政府系シンクタンク研究員などへのヒアリングからは、「農民工」(出稼ぎ農民)の都市定住促進、不動産市場の活性化、サービス業の振興、「主体功能区」(地域別開発政策)の形成促進という、4つの政策が見えてくる。(つづく)
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