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2009-12-08 17:54

デフレ打破の妙案は、お役所の規制緩和

入山 映  サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
 デフレだという。モノの値段が下がるのは結構なことだが、下がった結果、これまでは手の出なかった人にまで需要が発生し、ために物価下落分を補って余りある生産量増大が起る、というのではなく、需要総量が一定あるいは微増に留まる中で、価格下落の方が比重が大きく、その結果金額表示の需要も、雇用も減少し、それが相互に原因となり、結果となるスパイラルに陥っているのだという。いささか眉唾物の議論だとは思うが、先行き不安から消費心理に手控え感がある、というのを下敷きにすれば、そんなものかな、と思わないでもない。当たり前の話だが、こういう事態が発生するについては、提供される財やサービスの質に大きな変化がなかったり、供給量に飛躍的な増大がないことを前提にしている。千円が八百円になり、七百円が出た、と騒がれるGパンにしても、所詮Gパンであることに変わりはなく、七百円になったからといって、三本も四本も買うということではないのだ。

 換言すれば、魅力的なまるで新しい商品が出現した訳でも、供給量がにわかに何倍にもなった訳でもない。要は従来製品のコストカット(カットスロートという人もいる)競争が起っているだけの話である。新製品の開発、新規技術の出現が望まれている背景は、ここにある。「これまでどおりの」介護ではないサービス、「いままでどおりの」福祉ではないソフトとか、より手に入れ易いエコ商品、環境技術というのは、全てこのスパイラルからの脱却に対する期待の表明に他ならないし、内需主導型の成長などと難しい表現で唱えられているのも、「新規製品出よ」という願望の表明とさして変わりはない。

 そんなことをいってみても、そんな都合の良い話がおいそれとは起りっこなさそうな気もするが、これまでの余りにも愚劣極まりないお役所の規制や縄張りを取っ払っただけで、結構素敵な新商品がお目見えするのではないかというのも、民主党に対する期待の一環ではあるのだ。一昔前までなら、手詰まりになれば需要喚起と称して公共事業をドカンとぶち込んだ。効果があるかないかが検証されたという話は余り聞かない。やれ乗数効果だの、所得連関計算だの、と官庁エコノミストがさまざまな説をなしてはいたが、まあありがたいお経くらいに思っていれば良いだろう。とまれ、土建業界を中心に潤い、雇用もそれなりに発生し、お役人OBもハッピーで、その繰り返しが空前絶後の国の借金になって残っているのは、余りに有名だから、しつこくは繰り返さない。

 これが封じ手になって、「さあ、どうしよう」というのが、現下の民主党の直面する事態なのだ。まずはお役所仕事を徹底的にぶちこわす、というのにはそういう意味がある。元々お役人というのは、拡大再生産などには無縁だし、予算枠を使い切ることにしか興味がない、というより、そのように設計された遺伝子しか持っていない。また、そうでなくては困る。なまじ才覚を持って、怪しげなことをされたら、何が起ったかは誰でも知っている。それを民の手に委ねれば、何倍かの効果、とはいわないまでも何十%のそれが上がるのではないか、というところが出発点だ。このコンテキストで民主党のやっていることを見ないと、それこそ木を見て森を見ない種類の批判が続出する。為にする批判というのはいつでも存在するから気にすることはないが、そうでない場合は用心が必要だ。
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