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2009-04-22 00:00
中国は本当の大国になれるのか?
四条秀雄
不動産業
中国の大国化や空母保有が、日本において緊張感をもって語られ始めています。そこで「大国とは何なのか?」「空母保有はどういう目的に適うのか?」について、考えてみました。新聞記事で中国の高官が言うところでは「大国とは、自国の意思を他国に強制することができる国」だということです。確かにそれはそうなのですが、戦前日本の辿った道を考えると、それだけで「中国は本当の大国になれるのか?」と思わずにはいられません。
大日本帝国の敗戦は、完全に物流・ロジスティックス・兵站崩壊の結果として起こりました。米国との戦争である太平洋の戦いは、華々しい空母艦隊戦として語られることが多いのですが、実際には輸送船のほぼ100%損失と数十万の兵士の餓死が実相なのです。大日本帝国がそこに追い込まれたのは、人口と資源のバランスが崩れたことにあります。明治維新直後の人口であったなら、戦争などする必要はなかったのですが、人口の増大が資源需要の増大を生み、その結果、資源供給源が国境の外にまで拡大されたとき、国外から国内への資源のフローをどう制御するかという問題が生じ、そこに国家運営の不確実性が生まれました。
そして、中国のことを考えると、中国は国土が広大なのですが、人口も膨大で、人口と資源の関係は、基本的に戦前の日本と変わらないのです。いまや国境の外に拡大してしまった資源供給源と中国を結ぶ物流の確保が、大きな問題として浮上しており、その制御手段として空母保有の動機が生まれてきているのだと思います。中国の空母保有は、それが純粋に軍事目的だった戦前日本とは異なって、現在の米国同様に国際的物流網への政治的関与が目的になるのだろうと思われます。
しかし、よく考えてみれば、空母保有だけで、資源フローの不確実性をコントロールできるとはとても考えられません。やはり、問題の大本、つまり人口と国内資源のバランスに立ち返って考えてみる必要がありそうです。中国にとって、空母を保有するよりも、これから100年をかけても、じっと耐えて人口を制御するのが、その安定と発展のための正攻法なのではないかと思われます。
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