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2009-04-09 00:00
(連載)東アジア首脳会議(EAS)に向けた日本の立場(2)
関山 健
東京財団研究員
日本は、現在の「ASEAN10ヶ国+日中韓」の枠組みでの地域協力をどう評価し、どんな期待を持っているのか。二国間首脳会談、日中韓首脳会談、日CLV首脳会談、日ASEAN首脳会談、ASEAN+3首脳会議、東アジア首脳会議(ASEAN+6)、APEC首脳会議と、東アジアには様々な首脳レベルの地域協力の枠組みが存在しているが、それらを重層的に組み合わせて活用するのが日本の方針である。
枠組みが異なれば、関心事や共通利害も少しずつ異なることから、それぞれの特徴を活かしながら、具体的な協力を一つ一つ積み重ねていくことで、東アジアの地域協力を促進させていく、ことを日本は望んでいる。昨年12月にASEAN+3とは独立に日中韓首脳会談が開催され、今後も継続が見込まれていることから、日本にとってはASEAN+3の重要性が低下したのではないかという意見もあるが、ASEAN+3は東アジア地域協力のdriverとして引き続き重要である。
「ASEAN+3」の地域協力を推進するのには、どうすればいいのか。地域協力の進め方には、先に政府間協定や合意を結んでから実際の協力を始めるde jure方式と、先に実際の協力を進めてから制度を整えるde facto方式とがある。比較的均質的なヨーロッパと異なり、東アジアには政治体制、経済発展レベル、宗教文化の全く異なる国々が存在している。こうした状況で、先に政府間協定や合意を結ぼうとしても、利害や意見の対立ばかりが目立ち、なかなか進まない。そこで、ASEAN+3にせよ、東アジア・サミットにせよ、機能主義の観点に立って、具体的な協力を実施可能なものから先に実施していくことが、地域協力推進の最良の方策である。
実際、1990年代初めにマレーシアのマハティール首相が東アジア経済グループ(East Asia Economic Group)の創設を提唱した際には、域内外に様々な意見の相違があって実現しなかったが、97年のアジア金融危機に対処するためにASEAN+3での具体的な協力が進んだ結果、東アジアでの地域協力はde facto方式で大きく進展してきた。今後も、日本や中国を含む東アジア諸国は、金融経済、防災、環境保護、地域安全など共通利益のある分野で、一つずつ具体的な協力を進めていくことを期待したい。(つづく)
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