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2009-04-04 00:00
(連載)現代日本の直面する六つの危機(1)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
日本に関する多くの著作で知られるストックウィン・オックスフォード大学教授の“Governing Japan-Divided Politics in a Resurgent Economy”の改訂四版の出版に際して、外国特派員クラブで開かれた講演会に出席した。同書は、改版の度ごとに加筆があり、副題も出版社も変わる、という面白い企画だと聞いた。まことに洒脱なお人柄で、楽しい講演会だったが、そのさわりの部分である「現代日本の直面する六つの危機」をご紹介してみたい。
ストックウィンによれば、日本の第一の危機とは、政治権力と民主的答責性(accountability)の乖離であるという。永きにわたった自民党政権と官僚制の融合現象に端的に見られるように、実効性のある説明責任乃至は答責性が、政治権力の存続に対して、歯止めの機能を喪っている。選挙による民主的チェック・アンド・バランスが名目的なものに堕してしまっている、ということだ。
第二には、それはとりもなおさず極めて低い投票率に示される国民の参加、あるいは参加意識の欠如に顕われるという。政治に対する受益者満足度というものが、不当に低いまま、それを是正する動きが見られないことを意味する。
第三には、憲法問題に正面から取り組もうとする姿勢の不在。九条問題が典型的だが、それに留まらず、基本的人権、例えば言論・表現の自由についても、その場凌ぎのような態度に終始している、という。
第四は、経済的リベラリズムと政治的非リベラリズムの乖離ないしは相克が見られる、という。例えば、政府のメディアに対する対応、教育基本法の取扱い、さらには第三に指摘した言論の自由についての考え方にもそれは現れている、と見る。(つづく)
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