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2009-03-21 00:00
(連載)ロシア経済の最近の動向をさぐる(3)
河東 哲夫
Japan-World Trends代表
既に書いたように、昨年秋、信用不安から銀行間、銀行・企業間の金詰りが起きた時、政府は3大銀行に500億ドルの融資を行った。ここから下位の銀行、そこから企業に融資が回ることを期待したのだ。ところが救済資金をもらった大銀行は、ルーブル価値の下降を見込み、その価値を保全するために、ルーブルを売ってドルを購入した。このため金詰りは解消せず、他方ルーブル・レートの下降速度は速まった。しかし、2月中旬にはルーブルの下落が止まった。ルーブルの需要が恒常的にある中で、中央銀行が資金供給量を減らしていることが原因だと言われる。
ともあれ、これで銀行は企業への融資を再開し始めた。まずドル・ベースで融資し、西側への返済用資金とする例が出てきた。つまり対外債務を国内債務に切り替えつつあるのだ。政府は更に公的資金の注入を考えている。クドリン財務相は2月5日ロンドンで「ロシアの大銀行に400億ドルの資本強化を考えている。現金、株その他で、これを行う」と述べている。「こうして金融が回り始めれば、輸出は戻らなくとも国内生産は戻り、輸入代替生産も伸びてくるだろう」とガヴリレンコフ氏は言う。
クドリン財務相は「2009年の政府歳入額は、昨年11月に採択した当初予算案の42%にしかならないだろう」と述べている。ということは、4.2兆ルーブル(約12兆円)ということだ。歳出は約9兆ルーブル予定されていたから、これをいくら削っても(国防予算は15%削減努力中という報道がある。他方プーチン首相は年金を3倍にするべきだ、などと言っている)7兆ルーブルは歳出に必要だとすると、差し引き約3兆ルーブル、つまり9兆円分不足するということだ。大統領府のドヴォルコーヴィチ経済問題補佐官は「2009年の財政赤字はGDPの8%以内に収めるべきだ」と言っているから、大体平仄があう。(つづく)
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