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2009-03-13 00:00
年金積立金管理運用独立法人はもっと情報公開せよ
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
年金運用が大赤字らしい。ついこの間(2月23日)に「年平均運用率4.1%の見込み(ついでにいうと出生率は1.26)でゆけば当分は大丈夫」といっていた後だけに、いささか気になる。しかし、内外の株式を運用対象に組み込んでいる以上、「上がった」、「下がった」は当然の話で、ましてこのご時世では短期の収支にあまり気をとられていても仕方がないだろう。なまじばたばたして知恵を出そうとしないことだ。
年金積立金管理運用独立法人という舌を噛みそうな名前の組織が、80名の役職員で150兆円のオカネを運用している。役員には日銀と厚生労働省のOBがひとりづつ、財務省の現役が監事というから、別に投資のプロを選んでいるわけでもなさそうだから、なおさらだ。もっとも11人の専門委員なる方々から成る委員会が、例によって設置されている。11人もいらしたのでは、きったはったの話になる訳もない。せいぜい外国株の割合を1%減らすとか、国内債券の比率を2%上げるとかいう程度の話だろう。
それはともかく、「中国の経済成長率は、8%だった」といっても「へえ。そうかい」だし、「8%には届きそうにない」といっても「ふうん。でもまたすぐ届くんでしょう」だ。要するに、中国の統計数値はてんで相手にされていない。日本のお役所の4.1%は、さすがにこれほど冷ややかな扱いは受けていないようだが、ことは給付額の減少か掛け金の増額に直結するだけに、切実感は強い。
それに比して、投資実績の情報公開が過小なように思う。どこの機関にどれほどを預託し、その結果がどうなったのか、80人も職員がいれば、出来ない広報でもないだろう。さらに、11人の年金運用を預かるセンモンカの皆さんは、年金の今後見通しについてコメントをお出しになる義務がおありになるのではなかろうか。
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