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2009-03-06 00:00
「敵失」対「敵失」の争いだ
花岡 信昭
ジャーナリスト
「やましいところは何もない」「すべて適正に処理している」「権力がほしいままにやるというのは、民主主義ではありえない」・・・。小沢一郎氏は4日の記者会見で疑惑を全面否定、代表辞任などの考えもないことを強調した。ときおり、横を向いてセキをしながらの会見だ。小沢氏の政治家としての最盛期を見てきたものにとって、なにやら痛々しい思いで中継を見た。小沢氏は「法的処理は適正」と強調したが、それはその通りだろう。政治資金規正法に違反しないような仕組みをつくって対応してきたのだから、当たり前だ。政治資金規正法では、企業献金は、政党、政党支部、政党が指定する資金管理団体だけしか受領できないことになっている。
小沢氏は「企業献金と認識していたら、自分の政党支部で受け取っていた。それならなんということはなかった」という趣旨の発言もした。ここが記者会見のポイントだ。西松建設としては、自分のところからの献金だと相手に認識させないで、カネを出すわけがない。かといって、企業献金扱いにすれば、突出ぶりばかりが目立ってしまう。だから二つの政治団体をダミーとしてつくり、ここに西松の社員が会員となって、1口6万円を出した。その分を西松側は賞与に上乗せして支給していた。いわば、ある種のマネー・ロンダリングだ。政治団体からの献金という体裁をつくれば、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が受け取っても、違法でもなんでもないということになる。
小沢氏は「献金をいただくのに、その出所を詮索するようなことはしない」とも述べている。このからくりを、逮捕された秘書や小沢氏がどこまで認識していたか、その立証ができるかどうかが、今後の捜査の焦点だ。かくして、これまでは麻生首相の失点(民主党からみれば「敵失」)が内閣支持率の激減を招き、総選挙では民主圧勝といわれる状況にいたっていた。こんどは小沢氏の失点(自民党からみての「敵失」)がどこまで大きくなるかが政治展開の行方を左右する。なんのことはない。「敵失」対「敵失」の戦いだ。野球でいえばエラー続出の試合で、どっちのエラーが得失点差を決めるのか、ということになる。小沢氏は逮捕された秘書について「起訴されるはずがない」とも言明した。
この種の話では、秘書の責任として押し付ける政治家がとかく多い中で、いさぎよい態度ともいえる。だが、起訴されたら、この発言が重くのしかかることになる。代表辞任、後任代表選出という事態も十分予想できる。起訴までは最大22日間の勾留が認められている。となると、起訴されるかどうかは、今月25日ごろに判明することになる。ここが微妙だ。来年度予算の年度内成立の時期と重なるからだ。民主党は早々と年度内成立に協力する態度を決めている。こういう事態になったからといって、これを変えられるか。起訴が先か、予算成立が先か。その次第で政局攻防が微妙に変わってくる。
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