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2009-03-04 00:00
小沢氏は、代表辞任か、議員辞職か
花岡 信昭
ジャーナリスト
政治の世界は非情だ。政権奪取確実といわれていた民主党の小沢一郎代表が、こういうかたちでつまずくとは。小沢氏は「3月4日の記者会見ですべてを明らかにする」としているので、当面はこれを待とう。だが、公設第1秘書逮捕という事実は重い。代表辞任はまぬがれないだろうし、議員辞職に発展する恐れさえなしとしない。「西松建設」の裏金づくりをめぐる捜査については、「狙いは小沢」という見方が少なからずあった。だが、来年度予算の年度内成立が確実になったこの時点で東京地検が乗り出すというのは想定外だった。
小沢氏の政治資金問題については、当の民主党内にも「首相になったら徹底した資産公開が必要になる。本当に耐えられるのか」という声がなかったわけではない。健康問題も重なって、「小沢政権」誕生への危惧があったのは事実だ。なかには病気による早期退陣、あるいは代表は続けながらも首相には別の人物(岡田克也氏が最有力とされた)を担ぐ「総総分離」(自民党ではこれがときに検討されたことがある)を予想する向きもあった。
後講釈になるが、小沢氏は今回の摘発をある程度、予期していたのかもしれない。それが、予算の年度内成立に協力するという「野党らしからぬ」柔軟戦術を取った背景となったのではなかったか。予算成立後、一気に解散・総選挙という流れを作り出せば、いかに東京地検といえども、うかつに手を出せなくなる。第二次補正関連法案の衆院再可決が確定した時点でのこのタイミングは、いかにも絶妙だ。
さあ、政局の構図は一転することになる。自民党内には、この機に乗じて予算成立後の解散・総選挙を主張する声も強まった。これもまた、一つ間違えると、逆に有権者の反発を買いかねない。この判断は難しい。民主党の鳩山由紀夫幹事長は、「国策捜査だ」と口走った。これも考えてみれば重大発言だ。国策捜査というからには、検察当局は民主党政権を歓迎していないということを、鳩山氏が認めてしまったことになる。
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