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2009-02-10 00:00
(連載)日本の平和維持活動はこれでよいか(2)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
中国には、国連安保理の常任理事国としてロシア、英国、米国を凌ぐ派遣実績があり、1980年代後半から各地に派遣された人民解放軍の人員は、1万1千人を超える。ちなみに、日本は2千人弱であった。この行動の意図は、急激に拡大する中国の軍事予算に対する世界の懸念を中和すると同時に、人民解放軍の実戦能力の訓練にも役立てることにあると見られる。この方向性に対して国際世論はおおむね好意的であり、さらなる拡大を期待さへしているように見受けられる。
中国国内では、伝統的な国家主権尊重と内政不干渉という対外政策の原則や、国内諸機関の官僚主義的縄張り意識もあって、この動向に対して必ずしも一枚岩の支持があるとは言い難いものの、廊坊の平和維持警察訓練センター、南京の国際関係大学の設置に典型的に見られるように、着実に実績は蓄積されている。論文はこれら国連平和維持活動に対する参加のうち、4分の3がコンゴ、スーダンなどのアフリカ向けであったことを指摘して、暗にその政治的意図を示唆しているものの、西側との協調行動をより深めることによって、中国が大国としての責任を自覚するようになることは、歓迎しているかのごとくである。
何も中国の向こうを張って、アジアにおける米国の盟友としての地位を確保せよ、と言いたい訳ではないが、あどけない国内論議にうつつをぬかしているうちに、既成事実が幾重にもまわりで形成されていることに対しては、しっかりした認識が必要なのではないか。いうまでもなく、中国の積極的なアフリカ政策には資源外交の意図が透けて見える。思いつきや借り物の開発思想をつぎはぎした日本のアフリカ政策とは好対照であるといってよいだろう。自衛隊の問題は、なにも憲法問題の側面だけではない。(おわり)
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