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2009-01-31 00:00
「同志」 柿澤元外相の死を悼む
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
柿澤弘治さんは、人生の大先輩であり、また、外務大臣まで務められた方ですが、私にとっては、アジア統合の推進が日本にとって是非とも必要と考える「同志」の一人でした。柿澤さんは、旧大蔵省からフランスへ留学し、後にベルギー・ブリュッセルの日本大使館に数年間勤務されました。そのころちょうど、EC(欧州共同体)では欧州統一通貨の実現を目指した「ウェルナー・プラン」(1970年10月)が提案されました。「ウェルナー・プラン」自体は、日の目を見ることはありませんでしたが、それはやがて「ドュロール・プラン」(1989年4月)へと受け継がれ、今日の統一通貨ユーロの実現に結びつきました。
柿澤さんは、そうした当時ECが着々と進めていた欧州統合の動きを目の当たりにし、アジアでもいずれ同じようなことが必要とされるようになると認識するようになり、今日に至るまでずっとそのことを願ってきた、と伺ったことがあります。
2006年10月、大阪で3日間にわたって大阪市立大学と駐日欧州委員会代表部が国際シンポジウム「ヨーロッパに学ぶアジア地域統合の可能性:東アジア共同体を考える」を共催した際には、当然のことながらご出演いただきました。その際、柿澤さんのご紹介で、現韓国首相の韓昇洙(ハン・スンスー)さんにも柿澤さんと同じセッションにご出演いただき、我々のシンポジウムの意義をより高いものとすることにも貢献していただきました。
これからも、アジア統合の推進に向けて、ご一緒に活動させていただこうと思っていた矢先であり、私としては非常に残念です。柿澤さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。と同時に、この機会に、アジア統合が日本にとっても必要であることが、より多くの人々に理解されるようになることを願ってやみません。(編集部注:昨1月30日夜、柿沢先生の地元である江東区の平安祭典・深川会館で先生の密通夜が執り行われ、編集部もお焼香をして来ましたが、密通夜とは言え、数千人のひとの列が絶えることなくつづく盛会であり、故人の遺徳の大きさが改めて痛感されました。この場を借りて、ご報告させていただきます)。
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