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2009-01-28 00:00
(連載)オバマ新政権を迎える中国と日本(1)
関山 健
東京財団研究員
世界中の注目を集めて就任したアメリカのオバマ新政権。そのオバマ新政権について、中国の人々はどう見ているのであろうか。中国・吉林大学で北東アジア情勢を研究する知己の教授は、「アメリカ経済が未曾有の危機にあるなか、オバマ新大統領率いる民主党政権が、保護主義的な貿易政策を採り、その矛先が最大の貿易赤字相手国である中国に向くのではないか、と心配している」という。チャイナ・バッシングの可能性について、率直な不安を筆者に語った。振り返れば、単独主義的な外交政策で世界中の不評を買ったジョージ・W・ブッシュ大統領であったが、中国人にとっては「朋友」であった。
1月15日付けの『ロサンゼルス・タイムズ』紙は、ホワイトハウスを去りゆく前大統領への中国人の評価を「多くの中国人は、ブッシュ政権の自由貿易政策を称賛しており、この政策は中国経済が過去8年間に繁栄を遂げる手助けとなったと考えている。ブッシュ政権が台湾の陳水扁前「総統」に対して加えた圧力も、称賛している。また、ブッシュ大統領が北京オリンピックに出席したことは、さらに多くの中国人を感動させた」と報じている。過去8年間ジョージ・W・ブッシュ大統領の下で米中関係が大きく発展しただけに、その揺り戻しがあるのではないか、という不安が少なからぬ中国人のなかにあるようだ。
実際、オバマ新大統領は、不公正な取引慣行を取る国に対して是正の働きかけを強め、通商代表部を強化する方針を、大統領選の公約にしていた。選挙期間中に全米繊維団体協議会から受けた質問に対しても、「中国は、輸出よりも内需依存の経済成長に向けて、為替を含め政策を変更しなければならない。だからこそ私は、中国に変化を促すため、あらゆる外交手段を行使する」と書簡で回答している(昨年10月29日付けロイター)。
そこに加えて、中国に対して厳しい批判を繰り返してきたヒラリー・クリントン氏が国務長官となり、日米安保の役割を「アジア・大平洋地域の安定維持」と再定義したジョセフ・ナイ教授が駐日大使になれば、「中国人として心地よいことではない」(前出の吉林大学教授)という。(つづく)
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