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2009-01-16 00:00
(連載)そう簡単に崩れない英米の絆(1)
辻 正寛
会社役員
昨15日、インドのムンバイを訪問中のデイヴィッド・ミリバンド英外相は、昨年テロの攻撃対象となったタージマハール・ホテルにおいて演説し、ブッシュ米政権が掲げた「対テロ戦争」という表現が「不適切であり、誤解を招くものである」と言明したが、各種メディアはこぞってこの現職閣僚の異例の発言を取り上げている。ミリバンドの発言の趣旨は「対テロ戦争といった概念は、オサマ・ビン・ラディンやアルカイーダに体現されるような、統一された越境的な敵という存在があるかのような印象を与えるものであるが、現実のテロリズムは、そのような言葉でひとくくりにできるよう統一的な存在ではなく、穏健派と過激派、あるいは善と悪といった単純な二項対立で処理できる問題ではない」ということである。さらに対テロ対策は、むやみやたらと軍事力を公使すべきものではなく、法の支配の原則に則る必要があるともいう。
今回のこのミリバンド発言について、反ブッシュ志向の強いメディアの中では「それ見ろ」といわんばかりに好意的に扱う向きも多いようだが、他方「ブッシュ政権が退陣まで残すところあと数日といった段階になって、そのような発言をすることにどれだけの意味があるのか、同じ言うならもっと早く言えばよかった」などという冷めた反応も見られる。各方面で評価の分かれる「対テロ戦争」であるが、これまでも英国では、閣僚級の人物がブッシュ政権の主導する「対テロ戦争」を批判したケースがいくつかある。代表的なものとしては、ブレア政権で環境大臣を務めたマイケル・ミーチャーが2003年9月にした発言がある。任期途中で大臣職を辞職した後、「この対テロ戦争はインチキだ(This war on terrorism is bogus)」と題する論考を英ガーディアン紙上に発表したもので、「対テロ戦争は、米国の世界制覇の野望の隠れ蓑に過ぎない」と痛烈に批判した例が、記憶に新しい。(つづく)
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