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2009-01-10 00:00
(連載)特筆すべき「日中韓首脳会議」のスタート(2)
石垣 泰司
東海大学法科大学院非常勤教授
以上に加え、とりわけ特筆されるのは、昨年12月13日に福岡県太宰府市において初の単独開催となる日中韓首脳会議が開催されたことである。地方都市で開催されたこともあってか、その内容につき余り詳細な報道はなされなかったが、麻生総理が議長となり、温家宝首相、李明博大統領が出席し、従前ASEAN+3首脳会議の機会を捉えて細々と開催されてきた小一時間程度の3国首脳会合と異なり、今回は数時間に亘り本格的協議が行われ、麻生総理が共同記者会見で「第1回日中韓サミット」と呼んだように歴史的に画期的な会議となった。
3国首脳は、日中韓協力を新たな次元に押し上げる共同声明に署名し、「開放性、透明性、相互信頼、共益、多様な文化に対する尊重」の原則の下、未来志向で3国間協力を強化する、との力強いメッセージを発出した。さらに、防災、金融の各分野における共同文書と今後短期・中長期にわたる3国協力についての詳細な具体的内容を盛り込んだ「行動計画」をも発表した。今後、同サミットは、持ち回りで、年1回開催していくこととし、来年は中国での開催を合意した。
また、この新枠組みでの第1回外相会議を韓国で、第2回を日本、第3回を中国で開催することも決定された。東アジア共同体との関連においては、地域・国際情勢の中での主要アイテムとして、東アジア協力問題が取り上げられ、「ASEAN+3、東アジアサミットなどの東アジアの地域協力の枠組みが重要であり、3国はこれと相互補完的な形で連携していくべき」との点で意見が一致したほか、ASEAN関連首脳会議の延期に触れ、「その早期開催につき希望が表明された」という。
東アジア共同体構築に向けての取り組みにおいて、ASEAN+3諸国の一致した協力が極めて重要であるが、これまでASEAN側の連帯・協力の進展の速度に比し、日中韓3国側の相互協力はとかくぎくしゃくしがちであったことにも鑑み、上記「第1回日中韓サミット」のスタートにより3国間首脳レベルの協議の枠組みづくりに成功したことの意義は大きく、今後におけるその定着化と具体的協力の進展が強く望まれる。(おわり)
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