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2009-01-09 00:00
(連載)特筆すべき「日中韓首脳会議」のスタート(1)
石垣泰司
東海大学法科大学院非常勤教授
昨2008年は、タイの政情混乱によりタイがホストするASEAN首脳会議が開催できなかったため、これに連動していたASEAN+3首脳会議、東アジア・サミットの何れも開催されずに終わった。これら首脳会議は2月末までにタイで開催される旨、年末のASEAN外相会議で確認はされたが、具体的期日、場所等はいまだに正式発表されないままとなっている。とはいえ、昨年は、東アジア共同体構築に向けての取り組みにおいて、余り成果がなかったかといえば、必ずしもそうではなく、幾つかの進展があったと思われる。
1つには、ASEAN首脳会議関連サミットこそ開催されなかったが、これはひとえに1加盟国の国内事情によるものであり、ASEAN共同体の法的基盤となる「ASEAN憲章」は、無事その発効が宣言されたことである。すなわち、当初チェンマイにおいて12月15日から開催が予定されていたASEAN首脳会議でその発効を祝する式典を執り行う手はずであったのを、12月15日に急遽ジャカルタでASEAN外相会議を開催することにより、予定通りの日にその発効を宣言する式典が行なわれたからである。
また、ASEANが新たな法人格をもつ国際機関に発展したことに伴い、ASEANとの主要対話国が、ASEAN機構に対する専任大使を任命する動きが加速化している。昨年5月に米国上院がスコット・マルシエルASEAN大使の任命を承認したのを皮切りに、豪州、ニュージーランドに続き、わが国も10月に鹿取克章ASEAN担当大使を任命した。12月には韓国、中国がつづき、本年1月に入ってからはインドも専任大使を任命したので、東アジア・サミットを構成する域外主要国はすべて専任のASEAN大使を任命したこととなる。
他方、ASEAN+3+3国間の機能的協力も順調に進行しており、ASEANと域外国のEPA/FTA取決め締結件数も増大した。さらに、昨年秋以来の世界的金融危機への東アジア地域諸国の対応においても、チェンマイ・イニシャティブによるスワップ・メカニズムが安定的支えとしての効果を発揮し、世界中の殆どすべての国が大きな被害を蒙っているなかで、東アジア地域諸国においては1997年通貨危機当時のような混乱は見られなかった。(つづく)
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