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2008-12-28 00:00
(連載)金融危機と日中協力(2)
関山 健
東京財団研究員
さて、長期的な「国際金融システム改革」だが、筆者は、現在のアメリカ中心の国際金融システムを改革し、米国、EU、中国、日本が対等に影響力と発言力を有する仕組みに変えるように、日本と中国が協力することは、両国の利益に適うことだと考える。そのためには、例えば、国際的な金融取引に関するルール作りと監督を担う「世界金融機構」の設立に向けて、日中で協力してはどうだろうか。
金融取引が国境を越えて世界規模で展開している現在、その規制と監督についても世界規模で取り組まなければ、市場の暴走を許す結果となる。今回アメリカ発の金融危機が世界規模で拡大した一因も、そうした世界規模の監督機構の欠如にあった。したがって、国際決済銀行や国際通貨基金といった国際枠組みの機能強化を避けては通れない。
問題は、国際決済銀行や国際通貨基金といった既存の国際金融枠組みは、事実上アメリカ一国が大きな発言力を有する仕組みになっていることである。国際決済銀行のもとで金融監督を話し合うバーゼル銀行監督委員会は、発足にあたっての条約も拘束力のある規則もなく、非公式会合を通じて金融監督の標準、指針、推奨を策定するにとどまる。
また、国際通貨基金において、日本も常任理事国にこそ名前を連ね、出資比率に比例した理事国中第2位の投票権(6.02%)を有するが、理事会の意思決定は投票総数の85%以上を要するため、16.77%を握るアメリカだけが事実上の拒否権を有する形になっている。こうしたアメリカ中心の仕組みでは、結局アメリカの暴走を止めることはできない。それが、今回の危機にもつながったのである。(つづく)
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