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2008-12-27 00:00
南米諸国連合の発足:もはや「米国の裏庭」ではない
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
やや旧聞に属するが、今年5月ブラジリアで開催された第3回南米諸国連合サミットにおいて、南米の全12カ国が参加する南米諸国連合(スペイン語略称:UNASUR)条約が採択された。条約(UNASUR Constitutive Treaty)は全27条からなるが、そこではUNASURの本部をエクアドルのキトに、南米議会をボリヴィアのコチャバンバに、そして、南米銀行(Banco del Sur)をヴェネズエラのカラカスに設置することも決まった。
このようにUNASURが本格的に始動しつつあるわけであるが、今次米国発金融危機の深刻化を背景に、UNASUR推進のモーメンタムは今後高まりを見せることになろう。1982年夏メキシコに始まった中南米を中心とし、世界中の広範な地域に広がった累積債務問題は、1980年代前半のアメリカの異常高金利とその結果としてのドルの全面高を根因とするものであった。今回の危機がまたもや米国発であったということから、南米諸国の地域統合に対する機運は盛り上がりを見せることになるのではないだろうか。
アメリカは、2005年までに米州自由貿易協定(FTAA)の合意を目指したが、南米諸国の主要国の総スカンに遭って実現しなかった。いまや、FTAA は、米国にとって「夢のまた夢」という状況になっている。かつて、「米国の裏庭」とまで言われた南米だが、いまや南米における真の親米政権は、コロンビアのウリーベ政権ぐらいのものである。それもこれも、ほとんど信じられないほどのアメリカの外交政策の失敗の連続に起因している。まさにアメリカの自業自得であり、同情の余地は全くない。
いずれにせよ、かくして世界の多極化は進行する。日本は、時代の大きな流れを見誤ることなかれ。
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