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2008-12-19 00:00
(連載)日本人の英語力について(2)
辻 正寛
会社役員
こうなると、我が国があるべき英語教育をめぐって「ああでもない、こうでもない」と議論していること自体が、たいそう牧歌的に見えてくる。幼少からの英語教育にせよ、英語公用語化論にせよ、言いたいことは分かるが、そもそも何のために英語力をつけるのか、がはっきりしていない。目的と手段の関係があいまいなのである。なし崩し的なのだ。その点、国語重視の「常識派」の議論のほうが、よほど地に足がついているといえよう。したがって、問われるべきは、たんなる英語力の問題に留まらない。いわゆる「英語使い」を国内に増殖させることが目的ではない以上、近未来の「国のかたち」を意識した明確な戦略が必要となるのだ。
すなわち、日本をどのような性格の国家としてその地位を国際的に確立させるのか、そのために国内のどのセクターを強化し、どういった人材を育成するのか、外国人を入れるのか入れないのか、「頭脳流出」を促進するのか抑制するのか、また、東アジアという地域レベルでいかなる人材交流を制度化するのか、世界レベルではどうか、などといった具体的な問題をひとつひとつクリアすることが先決である。そして、その上で必要とあれば、国民の英語力の強化が体系的に検討されるべきであろう。そして、このようなアプローチこそが、植民地化を経験しなかった我が国にふさわしい外国語習得の道筋のはずである。(おわり)
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