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2008-12-17 00:00
地域統合は安全保障優先で考えよ
百瀬誠也
作家
地域統合を考えるために最も優先すべきことは、安全保障である。これを抜かして論議することは、土台を考えずに建物を建てることに等しい。すると、政治体制の異なる中国や北朝鮮、ミャンマーのような国とは、矛盾したまま統合することなどあり得ない。さらに安保のために統合を進めるなら、東アジアや太平洋などというように、地域の枠を優先する必要など、元々無いのである。
ブッシュが、イラクやイランと石油を取引し、武器を供給しながら、後になって攻撃するという、この矛盾は、ブッシュ一族の陰謀だけではなく、商業と安全保障と立法機能の完全なる別行動から来ている。アメリカのせいにしているが、各国とも商業、安全保障、立法の一致しない、つまりEUのような統合策がないまま、来ていることが問題であり、この点、統合策を進めることは、まったく説得力がある。
しかし、なぜ「東アジア」だの、「太平洋」だのに限定する必要があるのか。また中国と同じ国にする必要などあるはずもない。あくまで国家の役割を越えないよう、相互安全保障、経済協力のために最高立法機能を統合するのなら、アフリカでも中央アジアでも、同じ統合策に組み入れていけばよいはずだ。ただ、EUがヨーロッパなら、こちらは東アジアと無目的に限定する必要はないはずだ。地域の区切りなど後ででも入れられるだろう。
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