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2008-11-27 00:00
これでは共産主義国の軍隊と同じにならないか?
佐藤 守
元航空自衛官
11月15日の産経新聞によれば、田母神論文問題について、政府は14日の閣議で「空幕長の職務として行ったものではなく、私人として行ったもの」であり、「今回の投稿が『政治の方向に悪い影響を与える意図で特定の政策を主張する』などの政治目的に当たることはなく、自衛隊法で制限されている政治的行為にも該当しない」という答弁書を決定したという。しかし、同紙一面トップによれば、6空団などに対して「大臣指示で防衛監察」を行うという。産経新聞は、これについて「現職の自衛隊幹部は『思想・信条の自由に踏み込みかねない』『個人の歴史観を監察の対象にするのはおかしい』と強く反発しており、議論を呼ぶのは必至だ」と書いた。外部への投稿は勿論、部内での研究や部外講師講話なども、自粛か萎縮かは知らないが、控えよということであれば、これではまるでGHQによる焚書や思想統制が復活したような錯覚を覚える。
メディアも「一犬形に吠ゆれば、百犬声に吠ゆ」という状態で、自衛隊たたきで懸命のようだが、「気がついたら、自分のクビを絞めていたということにならねばいいが・・・」と思う。しかしなによりも、政府答弁書どおりなら、どうして田母神氏は2階級降格処分を受けて、制服を脱がねばならなかったのだろうか?改めて政府は、正直にこの疑問に答える必要がある。また、防衛監察を本気でやるとすれば、まるで共産主義国の軍隊と同じになる!ことを指摘したい。これは将来に大きな禍根を残すことになろう。絶対に許すべきことではない。シビリアン・コントロールを強化するつもりだろうが、その結果は、逆にシビリアン・コントロールを破壊することになるだろう。自衛隊は『自民党の軍隊』になってしまう。
ところで最高指揮官の麻生首相が、国会の場で「田母神!」と田母神氏を呼び捨てにしたことに、多くの者たちが憤慨している。電話をくれたひともいるが、私は「われわれが仲間内でなれなれしく『オイ!田中!』、『何だ、佐藤』と呼び合うように、首相がやっと制服に対して“親近感”を示してくれたものと受け止めればよい。そのうちに、私人となった田母神君をホテル・オークラのなじみのバーに呼んで、『田母神!貴様余計なことをしてくれたな~。発言内容はともかく、解散総選挙をめぐる駆け引きの最中だったから、迷惑したぞ!』と打ち明けるに違いない」と答えておいた。国民給付金支給については、「そっくり資金繰りに困った某政党の選挙資金になり、市場経済には一切反映しない!ともっぱらの噂だが、麻生さんはそんなところも『きちんと』押さえて、日本国の行く末を見つめているのだ」と思いたいものだ。
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