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2008-11-08 00:00
(連載)旧日本軍はそんなに立派だったのか(2)
大江 志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
田母神論文は「日本軍の軍紀が他国に比較して如何に厳正であったか、多くの外国人の証言もある」と主張する。自国の軍隊を美化するため、なぜ「外国人の証言」が必要なのか。高級将官の軍紀無視、下克上、人道にもとる暴力の横行といった旧軍の悪弊は、あまたの日本人が体験談として証言している。折しも、ノーベル賞作家、大江健三郎氏の著書『沖縄ノート』の記述をめぐる控訴審で、大阪高裁は先の大戦末期の沖縄戦において住民の集団自決に日本軍が深く関わっていた、との判断を下した。
沖縄県民に限らず、肉親を失った諦観の奥底で、「あの愚劣な戦争」に対する憎悪を引きずって生きてきた多数の国民がいることを、田母神氏は知るべきである。田母神氏の「勇猛果敢」ぶりも気にかかる。田母神氏は解任直後の記者会見で「論文の内容は誤っていない」「これを契機に歴史認識と国家・国防のあり方について率直で活発な議論が巻き起こることを願う」と持論を披瀝した。加えて、日本の植民地支配や侵略について「反省とおわび」を表明した村山首相談話(1995年)についても「村山談話なるものが、本当に検証されて、日本国民がみな納得できるものなのかは疑問」と、批判した。
「勇猛果敢」かつ奔放な発言でこれまでも物議をかもした田母神氏の“薫陶”もあってか、問題の懸賞論文には78人の航空自衛隊員が応募していたという。田母神氏同様、事前の届け出をしていなかったとすれば、明らかな内規違反である。その内容を含め、国会などの場で厳正に対処すべきだ。でなければ、近隣諸国から「日本軍国主義、復活の兆」といったあらぬ濡れ衣を被りかねないからだ。(おわり)
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