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2008-10-21 00:00
常任副議長だより(2):第6回「東アジア・フォーラム」について
村上 正泰
東アジア共同体評議会常任副議長
先週の10月15(水)~16日(木)にラオスの古都ルアンプラバンで第6回「東アジア・フォーラム(EAF)」が開催され、ASEAN+3各国の産官学を代表する67名が集まりました。わが国からも河野雅治外務審議官、進藤榮一当評議会副議長(筑波大学名誉教授)など5名が参加しました。私も出席しましたので、今回の「常任副議長だより(2)」では、この会合について、所感を述べます。
EAFは、2002年のASEAN+3(APT)首脳会議で設置が決定され、2003年に韓国・ソウルで第1回が開催されて以来、毎年開催されているAPT各国の産官学代表の年1回の意見交換会です。今年の会合では、東アジア共同体構築に向けて、どうすれば「挑戦」を「機会」に転換することができるかが、全体テーマとして議論され、2つのセッションが行われました。セッション1は「エネルギー・食料安全保障に取り組むための一層の協力」、セッション2は「開発格差の縮小:地域統合を加速し、戦略的利益を地域にもたらす」でした。
さて、今回の会合でなによりも印象的だったのは、おりしも世界的な株価暴落が同時進行していたこともあって、今回の世界的金融危機が2日間にわたるEAFの討議にも大きな影を落としていたことでした。主催国ラオスのスリボン・ダラボン計画投資大臣が「今日、東アジア地域は、食料・エネルギー危機に加え、世界的な金融危機の影響に直面している。とくに途上国に悪影響をもたらし、開発格差が一層拡大することが心配だ。これらの共通の課題に取り組んでいくためには、円滑で効果的な地域統合が必要である」と強調すれば、タイのウィタワット・シーウィホック外務省ASEAN局長も「今回の金融危機は1997年の危機よりも深刻だが、 ASEAN+3各国はこの10年間で金融協力を強力に推進してきており、この危機を乗り越えることができる。あらゆる『危機』は常に『機会』でもある。今後ともさらに地域協力を深化させ続けていく必要がある」と応える、という具合で、今回の世界的な金融危機は結果としてAPT諸国に東アジア地域協力の重要性を再確認させ、その推進にいっそうの確信をもたせた、と言えそうです。
ところで、EAFはもともと韓国が音頭を取る形で発足したトラック1、トラック2共同の東アジア地域協力推進機構ですが、その韓国が「今こそEAFを強化する必要がある。来年のEAFは韓国で開催したい。今後、常設事務局の設置なども検討したい」と、EAFの強化、発展について俄然前向きの発言をしました。具体的にどのような措置を取るのかについては、今後韓国側が来年のEAF会合での発表をめどにコンセプト・ペーパーを作成することになりましたが、APT各国の産官学代表が一堂に集うEAFは、ほかに同様の場がないだけに、大変貴重な場であり、各国出席者からは韓国側のイニシアティブを高く評価する声があがっていました。
当日のより詳細な「報告書」につきましては、近く当評議会のホームページに掲載されますので、ご関心のある方はそちらをご覧ください。
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